互いにリスペクトを示し合う彼と故郷楽団ならではのメンバー紹介を経て放たれたのは、「JUNK LAND」だった。極限まで研ぎ澄ましたコトバの速射砲を放つ玉置を、バンドが追走していくようなスリリングな展開。彼のシンガーソングライター／音楽家としての矜持が伝わる一曲だった。コール＆レスポンスでオーディエンスと熱い交感を続けた後は、大ヒット曲「田園」だ。「待っていました！」とばかりにハンドクラップが沸き起こり、約束の歌を全員で分かち合った。

「メロディー」も見事だった。過去を振り返り、まだ見ぬ未来を探していく。呟くような歌い出しから最後のロングトーンシャウトまで、噛み締めながら聴き入る観客の姿も印象的だった。メンバーと共に挨拶をした後、ひとり残った彼は「MR.LONELY」のフレーズを叫び、満場の観衆とシンガロングする。どこまでも歌を通じて繋がろうという姿勢が嬉しかった。

感動と賞賛にあふれたアンコールを受けて最後に歌われたのは、3年ぶりに書き下ろされた最新曲「ファンファーレ」だった。人々が営む日々の暮らしを励まし、誰もの人生を祝福するアンセムがついにステージで披露されたのだ。演奏を終えると彼は颯爽と去って行ったが、新たな代表曲の誕生に拍手と歓声はしばらくおさまることが無かった。

人々の人生に真っ直ぐ向き合い、メロディーを紡ぎ言葉をしたため、歌でエールを贈る。それが玉置にとって歌うことの意味であり、人生そのものなのだろう。愚直なまでに真摯に音楽の旅を続けていく玉置浩二。また新たな旅路へと向かう彼の背中でファンファーレが高らかに鳴り響く。そんな深い感慨を抱いた特別な夜だった。

WOWOWでは2026年1月より2カ月連続で玉置浩二を特集する。本公演の独占放送・配信に加え、故郷楽団との初公演「玉置浩二～故郷楽団 Concert Tour 2015～」も2026年2月に放送・配信。玉置浩二の圧巻の歌声と音楽の魅力を存分に堪能し、WOWOWで新しい年の始まりを感動と共に迎えていただきたい。

＜番組情報＞
玉置浩二 with 故郷楽団 10周年 Concert Tour 2025 ～blue eggplant field
2026年1月1日（木・祝）午後7:00～
WOWOWライブで放送／WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了翌日～WOWOWオンデマンドで2週間アーカイブ配信あり

玉置浩二～故郷楽団 Concert Tour 2015～
2026年2月8日（日）午後3:45～
WOWOWライブで放送／WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後～WOWOWオンデマンドで2週間アーカイブ配信あり