工藤遥:オーディションに合格した事務所がそれこそアイドル事務所だったので。やはり周りの環境もあって、自分もそういう心持ちになりました。その活動をしている中で、新たに見つけた「おもしろい!」と思えたのものが、お芝居。芝居をしたい、芝居が好きという気持ちは、そこから一貫して変わらないのです。
Q:お芝居をされる中で、憧れの女優はいますか?
工藤遥:衝撃を受けたのが、私が小学3年生ぐらいの時に見ていた「ラスト・フレンズ」というドラマ。当時、小学校のクラスで流行っていて。その時に長澤まさみさんが演じていたのがDVを受けている女性役、上野樹里さんが大型バイクを乗りまわす短髪の同性愛者ライダーで、めちゃくちゃかっこいい女性を演じていて。それを見た時、女優さんと認識するのではなく「この人だ!」と思って認識していたんです。役のままを認識していたから、それこそ「のだめカンタービレ」や別の作品でお見かけした時に、まるで人が変わったような……同じ顔だけど全然違う雰囲気を纏っていて。それが子供ながらにうまく理解ができず衝撃でした。それから過去の作品を見返したりして。時代の流れと、ご本人の年齢や成長に合わせて役や芝居を変えながら長く活動されている方々だから、こうやって続けられるのが1番理想の形だなと思っています。
そして憧れだと子供の頃から歌が好きで、初めて買ってもらったCDが「きらりん☆レボリューション」。アニメが流行っていたので月島きらりちゃんのCDを買ってもらったことを覚えています。中古でレンタルするとか、ビデオ屋さんも古くなると200円とか安く買えるんですよね。それでCDを買ってもらったのが、記憶にある限り最初の音楽です。小さい頃からカラオケに行く習慣はありませんでしたけど、子供の頃から歌うのは好きでしたね。父親が週末の朝から掃除しながらMDプレイヤーで曲を流しているような人だったので。車のオーディオも充実していたので、それで覚えた曲はあります。25歳ですけど、年齢の割に好きな曲のジャンルは幅があるかなと思います。
Q:幅広い楽曲を好まれているとのことですが、出演されるドラマ「95」(テレ東系毎週月曜よる11時6分放送中)の舞台となる90年代の印象はどうでしょうか?
工藤遥:90年代は、やはりいい音楽が多いといろんな方が仰っていますよね。バブルがはじける前後ぐらいの話を両親から聞いたり、もう就職や就活がうるおって仕方なかったという話を聞いたりしました。私の母親は金融系の会社に勤めていた時、新卒で総務部だったらしく。取引先のおじさまたちに可愛がってもらい、高級な食事に行ったとか……。現代では格差をなくそう、性別も年齢も関係なくみんなが平等にという世の中になるのもとても素敵ですけど。以前はSNSもなくて誰とでも簡単に繋がることができる時代ではなかったけど、すごくみんな楽しそうに話すから羨ましいですね。一瞬でも行ってみたかった時代です。