──演技中ずっと片足立ちって、かなり大変ですよね。
ちばひなの 楽曲を歌ったり、演じているときは,片足立ちだけではなく、フラミンゴっぽく歩く仕種も見せますけど。そうじゃないときは、基本片足立ちになります。基礎レッスンで体幹を鍛えてきたから、そこを発揮していけたらなと思っています。
物語全体の印象ですが、動物たちには、生きていくうえで“食べる食べられるという食物連鎖”が当たり前に存在しています。この物語の台本を読んだとき、一人間として生きることと、動物として生きることの違いをいろいろと考えさせられました。人間って、未来のことを考えながら生きている人たちがほとんどだと思いますけど、動物たちって、いかに今日1日を生きるのかを考えて日々を送っています。もちろん、動物たちも夢や未来を見ていますけど、人間と動物では、夢や未来の捉え方が異なります。わたしは『ジャングル・レビュー〜Living〜』を通して、生きることの切なさや残酷さもわかったうえで、生きることの素晴らしさや希望を感じました。そういうところも、この物語を通して感じていただけたらなと思っています。
──普段生きていると、動物の視点で「生きること」を考えることがないぶん、また新たな視点を感じられそうですね。
ちばひなの そこは、わたしも感じたことでした。動物って、自分が食べられてしまうことも運命として受け入れたうえで生きています。でも、人間がそういう意識を持って生きることはないですよね。そうやって、両方の立場での「生きる」意味を理解していくのは正直難しいことですけど。それぞれの「生きる意味」をしっかりと理解したうえで、わたしはこの物語を演じていきたいなと思っています。
──今回の物語の中、ゆきねさんだけが唯一人間の視点で物事を見ているわけですよね。
いわむらゆきね 物語の中では、そうなります。もちろん演じるうえで、わたしは人間の視点で表現していきます。みんなと一緒に稽古をしていく中、自分が演じてないときは、わたしも、みんなと同じように動物の視点で物事を捉え、考えを巡らせることが多いです。
最近では、テレビを観ていても、熊が住宅街に現れてというニュースが多いじゃないですか。他にも、動物が畑を荒らすとか。そういうのを見て、人間は動物たちを害獣と言いますけど、でも動物側からしたら、人間こそ害獣なんですよね。動物たちは、生きるための食料を探してそういう行動をしています。でも、人間はそれを受け入れることが出来ずに駆除してしまう。すごく切ないことですけど、人間と動物が共存していくうえではしょうがないことなのか…。正直、答えが出ることではないと思います。でも、そういうことを何も考えずに過ごすのと、そういう思いも持ったうえで過ごすのでは違うと思います。わたしは、日々の生活の中でもそういうことを考えながら生きていきたいです。
今回のミュージックバラエティーショウでは、ジャズ・ポップス・昭和歌謡・フラメンコ・詩吟を、カバー曲を織り交ぜながら披露します。
──第一幕は舞台劇になります。でも第二幕では、は昭和歌謡やジャズ&ポップスを歌うライブショー的な面を味わえます。こちらの見どころも教えてください。