物語はバレンタインデーに向けて、カフェを訪れる人々の恋を応援するためにCandy Boyたちがそれぞれに企画アイディアを持ち寄る姿から始まる。
その中でもひと際張り切って、たくさんのアイディアを提案する宮城。しかし、どのアイディアも採用とはならず。リーダーの奥谷が、伝えられない想いを綴った手紙を受け取るポストの設置を提案すると、メンバーたちも「さすがは知弘くん!」と揃って賛成。こうしてカフェにはポストが設置されるも、そこには浮かない表情の宮城が…。
そこへ、ヨーロッパ旅行から帰ってきた川島が登場。お土産にアンティークの小物入れの箱を買ってきたものの、蓋に鍵がかかっていて開かないのだという。結局そのままポストの傍らに飾りとして置かれることとなったこの箱が、このあと不思議な出来事をもたらすことになる。
さて、次第にバレンタインデーが近づくも、ポストには一向に手紙が届かない。発案者の奥谷が「つらい恋をしている人がいないのなら良かった」と喜ぶ一方、空のポストを見て不思議に思うメンバーも。
そんなとき、不思議な音と共に開かなかった箱に手紙が届く。フランス語で書かれたその手紙を、フランス語を勉強中の川島(実際にもフランス語検定3級)が読むと、そこには『ロミオとジュリエット』のジュリエットならぬ、「ジュリエットン」と名乗る女性からの切ないメッセージが綴られていた。驚くことに、なんと19世紀のイタリア・ヴェローナから時空を超えて届いたようだった。
ジュリエットンに共感を覚えた宮城はひっそりと彼女への返事を書くことに。距離も時間も超えた不思議な手紙のやり取りは続き、彼女の切ない恋を知っていくメンバーたち。そして嫉妬心から、大切な人に嘘をついてしまったジュリエットンの苦しい胸の内を知り、宮城も仲間たちに言えなかった秘密を告白する決意をする。
時を超えて届けられる恋模様とともに、仲間に言えない秘密を抱えてしまった宮城の成長と、Candy Boyたちの絆を描いた今回のストーリー。役柄とメンバー自身がリンクしてCandy Boyたちの仲の良さも感じられた。時にはコミカルなシーンもあり、メンバー間の無邪気なやり取りなどには観客からも笑いがこぼれた。
劇中ではCandy Boyのオリジナルソングもたっぷりと披露され、季節を彩るウィンターソング『冬空ラプソディー』や、弾むようなダンスで彩りを添える『香るパルファム』、そして届かない想いの切なさが込められた『星降る想い』でジュリエットンの恋の情景と宮城の心の内を重ねながら描きつつも、物語のフィナーレは踊り出したくなるようなメロディの『君とアン・ドゥ・トロワ』が明るく軽やかに飾った。
バレエのような麗しさや、指先や視線にまで目を奪われるような魅力があふれるパフォーマンス。語り掛けるように歌う姿は、カフェ公演ならではの至近距離で楽しめ会場を沸かせた。
そして最後はライブ形式で3楽曲を披露。ラストにはファン全員がハンカチを両手に持って振付をする「おそろいのハンカチ」で会場が一体となり公演を締め括った。
