2022.08.28 公開
宝塚でよく使われるフェンシングなどの武器は封印され、物語は真風の拳による一撃でスタート。『HiGH&LOW』おなじみの乱闘シーンも舞台ならではの迫力と演出で再現される。一方で宝塚らしいエレガントな衣装が並ぶ、美しいダンスパーティの場面も圧巻。
また音楽面における、宝塚×LDHのマッシュアップにも耳が離せない。ドラマや映画と同じくSWORDの山王連合会、White Rascals、鬼邪高校、RUDE BOYS、達磨一家には、それぞれテーマ曲が存在している。LDHアーティストの楽曲に通ずるダンサブルなビートを鳴らしながら、宝塚歌劇オーケストラのサウンドが乗る同期演奏、その上にあの宙組の歌声が響くのだ。この試みが新たな発想や、次のスタンダードを生んでいくに違いない。
『HiGH&LOW ―THE PREQUEL―』の様子(※提供写真) 画像 3/5
そして主軸として描かれるのはコブラと、本作オリジナルキャラクターである、ヒロイン・カナ(潤花)の悲しき恋。そして街を守るという信念を持つコブラに「守るべきものができると弱くなる」という言葉が付きまとう。なお、ふたりが出会う場面や、舞台装置や映像を駆使したデートシーンも見どころとなっていた。
そしてエンディングに向かって、それぞれのチームの運命が交わっていく。戦いと恋愛の果てにコブラが見出すものとは。そして登場人物たちが描く群像劇の行方とは。
一方で同時上演の『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』は放浪の伊達男・カプリチョーザが、イタリア各地を巡る中で遭遇する様々な出来事を綴った大人の雰囲気漂うショー作品。
『HiGH&LOW ―THE PREQUEL―』の様子(※提供写真) 画像 4/5
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