福山が明かすように、劇中でシーン毎に人が変わっているのではないかと感じるほどの怪演を見せつけている役所だが、今回の撮影について「僕は福山さん行きつけのお店にも、何にも誘ってもらえなくて…(笑)。」と、劇中で殺人犯の三隅を演じる役所からは想像もできない茶目っ気で会場の笑いを誘い、「僕の現場は4畳半しかない接見室が多くて、そんななかでの福山くんとのシーンは楽しかったです。吉田さんと満島さんとの接見室のシーンは少ない上に、2人にはセリフがないんですけど、満島くんは寝ているのかな…?そういう演技をしていたのかな…?と思うところが結構ありましたね(笑)。」とコメント、満島も「寝ていませんよ!でも、ちょっと夢見心地でした(笑)」と明かし、会場が笑いに包まれた。
今回、『海街Diary』以来に是枝監督作品に出演した広瀬すずは、福山と役所との共演について「福山さん演じる重盛さんは、10代の子から見た大人の会話が表情から受け取りやすくて、いろんな感情を抱いたことが多かったですね。役所さんは、私自身、三隅さんのことを心の片隅でずっと想いながら演じていたんですけど、予告編を見たときに別人のようで、”この三隅さんは誰なんだろう”と、寂しい気持ちになりました。」と、広瀬演じる咲江にとっての三隅と、予告編での三隅のお芝居の違いに衝撃を受けたことを明かした。
最後にキャストを代表して、映画をご覧になる観客の皆さんへ、役所が「今まで起こった僕たちの軽口は忘れて、映画を楽しんでください。面白かったらぜひいろんな人に勧めてください」
福山が「とても文学的であると同時に、一人一人が、場面や登場人物に自分に照らし合わせて参加できるようなエンターテインメント性のある作品にも仕上がっていると思います。今日は存分に楽しんでください。」と締めくくり、惜しむ声が飛び交う中、溢れんばかりの拍手とともにイベントは幕を閉じた。