大黒摩季インタビュー:
Q:ルナフェスの盛り上がりはいかがでしたか?
大黒摩季:ビジュアル系の皆さんのフェスで、しかも男子の園みたいなところに、おばさんが紅一点として登場ということで、すごいプレッシャーをかけられています。自分では、そういう中にチャラチャラしているラテンとかあるので、お呼びでないのではないかな〜と思いつつ、真ちゃんに「大丈夫!?」と、何度も聞いていたんですけど。確かに思い起こせば、同年代なんですよね。スレイブの皆さんも。
だから、普通に喜んでもらえるようTwitter(現在のX)でリクエストを募集して。ハズさないように、そのリクエストだけでまとめていったので(笑)それでお客さまが喜んでくださったので、緊張もすぐにほぐれて、盛り上がることができて。たくさんのお客さまが「ららら」で手を振ってくれたとき、「うわぁ!キレイだなー!」と思って。ムーミン谷みたいでした。
Q:普段のライブとの違いは?
大黒摩季:新人時代の気持ちに戻るくらい、私を好きでも何とも思っていない方達が一つの音楽で同じ思いになれる…むしろ「できる」か。いわゆる歌手としての挑戦みたいなことを、しばらくしていなかったので、その温かいファミリーの皆さんの中で6年休んで復帰した時は、大黒摩季ファンだけのところに行くわけですから。
逆に、お客さまに大黒摩季にしてもらっているくらい、すごくホットな状態でライブをやっている感じ。前にどこかのイベントで「熱くなれ」で熱くならない層があるんだというくらい、超アウェーで一度折れていますから。今日も最初から皆さんが引いたらどうしようとか。もうミジンコみたいなハートでやっていました。でも、最初からウェルカムモードでお客さまが迎えてくれたので、本当にスレイブの皆さんとお客さまのおかげでこちらも楽しくできました。
Q:25周年を迎えていかがですか?
大黒摩季:どうしてもフェスとかにお呼ばれされるとヒット曲をやってくださいと。やっぱりアーティストは生きているので、自分が感じたものでどんどん生まれてくるので。それをぜひ聞いてほしいです。さっき歌った「Because... You」も、本当に愛に包まれてできているというか。曲は自分ですけど、サウンドメイクがTUBEの春畑道哉さんで。その春さんも、私をバックコーラスとして、ライブの現場に初めて出してくれたのが春さんだったんです。だから、初めての男なんです(笑)その春さんと一緒にコラボできることになったのが幸せなのに、春さんが「ドラムは絶対に真矢くんとやりたい」と言って、真矢くんも「春さんだったら」と言って忙しい中来てくれたり。それ自体が普通と考えたら、相当ドリーミーな話。だから本当に病気をしている時とかは、一寸先が闇で。私はなんのために…っていう暗いところまで行きました。
でも、人生って、未来って、捨てたもんじゃないですね。あの日がウソのようにミラクルがいっぱい起こって。JAZのTOKUさんの『SHAKE』というアルバムのイベントがBLUE NOTE TOKYOであって。その時に待ち時間が長かったんです。SUGIZOくんと私、二人とも人と絡むタイプじゃないんですけど、SUGIZOくんと隣になって、「真ちゃんがお世話になっています」とお父さんみたいに話しかけてくれたところ、「そういえば摩季ちゃん、けっこうこだわるでしょう?聞いてたらわかるよ!」そこから「コーラス頼めたりするの?」と聞いてきてくれて。そこからコーラスをやって、それからのコレだから。大人になると理由がないと動かないけど、理由がなくてもハートが動いたら動いた方がいいですよ。選んだら先が細る。


