サビで大合唱を巻き起こした「A-E-U-I」は、あきらと鈴木がステージ上段でソロプレイをみせると、中西のドラムソロに合わせて、山中も太鼓を叩くという新たなアレンジが新鮮だった。MCでは初の試みとなった“赤と黒”のドレスコードについて触れると、山中が鈴木に「俺 ら幼馴染みだけど、今まで隠してたことがある」と言って、「そのシャツ、俺も持ってる(笑)」と暴露。
その言葉に、鈴木がシャツを脱ぐよ うな仕草をして、フロアの笑いを誘った。
そして、「これからも俺らはあなたたちと一瞬でも長く一緒にいられることを願っています。よかった ら一緒に歌ってください」という言葉から、初めて山中が誰かのためを思って書いた曲であり、共に未来を生きていくために完成させた大 切な楽曲「ReI」を披露。O-EASTはそのバンドの意思に深く賛同するように、温かい大合唱に包まれた。
「ここからは飛ばして行きたいんですけど、ついて来れますか!?」という叫び声を合図に、いよいよラストスパートに向かっていく……と 思われたところで、まさかの曲順を間違えるというハプニングも。オーラルにしては珍しいアクシデントだったが、それもライブの醍醐味だ。 気をとり直して、あきらの強靭なベースのグルーヴで踊らせた「Shala La」、フロント3人がやんちゃに暴れ回ったメジャーデビューシングル 「起死回生STORY」で会場の熱狂を最高潮まで高めていくと、6月13日にリリースするアルバム『Kisses and Kills』から「容姿端麗 な嘘」がライブで初めて披露された。ダンサブルなビートと妖艶なメロディが絡み合うオーラルの新機軸だ。
そして、「カンタンナコト」ではフ ロアが一斉に激しく頭を振り、「狂乱 Hey Kids!!」ではレーザーの光がお客さんの頭上で激しく交錯、遂にラスト1曲へ。「スペース シャワーの皆さん、こんな素晴らしい場所を用意してくれてありがとうございます!」と感謝を伝えると、集まったお客さんを指して「これか らも俺らはこいつらと一緒に進んでいきます!」と誇らしげに宣言。
山中が最前列の柵の上に立ち、押し寄せるダイバーたちともみくちゃ になりながら届けたラストソング「BLACK MEMORY」で最高の瞬間を作り上げると、ギターの残響音を残してメンバーはステージを後 にした。
アンコールでは、再びメンバー全員がステージに登場すると、山中はマイクを通さず、「ずっとあなたたちと隣り合っていきますから」と語り かけた。「ひとりじゃ無理やで。ひとりじゃ絶対に無理。だから私ひとりでいい、俺ひとりでいいとは言わんでください。周りにいないのやったら、 俺ら4人を頼ってください。あなたたちがひとりぼっちにならないように、俺らはずっといますから。
それだけは覚えておいてください」と。そして、 その想いを楽曲へと託したロックバラード「トナリアウ」でライブは親密なムードに包まれて幕を閉じた。