そして、そのまま突き進むかと思いきや、中盤に差し掛かったところで、待ちかねていた人も多いであろう、アコースティックタイムへ。歌声とメロディーの良さを堪能できる場面だが、ただしっとりと聴かせるだけではないのが彼らの持ち味。特にKENTAは、その奥の奥の方まで響かせようと、マイクを手に持ち、歌いながらステージを所狭しと駆け回る。特に施されたアレンジも相まって、「昨日の歌」で描いた軽快で極上のノリを醸し出していた。
WANIMA photo by 瀧本 JON... 行秀 画像 6/9
「それぞれ、みんないろいろあるけど、これからも"ともに"やからな!」とKENTAが大声で叫び、全体へではなく、駆けつけた2万人それぞれへ語りかけるように披露した「ともに」から後半戦をスタート。昨年末には紅白でも披露したこの曲。それぞれが大切に抱えたい曲として浸透したのだろう。響き方も凄まじく、まさしく国民的ロックバンドとして歩き出したことが伝わる瞬間でもあった。
前半戦は多彩なチャンネルでオーディエンスを楽しませていたが、後半戦はまっすぐに切なる想いを届けていく。ただただ、その音と歌に気持ちをこめる姿。これだけの状況になっても驕ることなどなく、現場で伝えることを重要視する。一歩を踏み出す力になる「ヒューマン」の直後、曲が持つ、いい重さを伴った余韻と共に飛び込んできた、「生きとったら、何とかなるからな。しびれるような明日を手繰り寄せてください」というKENTAの言葉。決して目には見えないが、彼らを信じるに値するモノがそこにはあった。
WANIMA photo by 瀧本 JON... 行秀 画像 7/9
ライヴも終盤戦に差し掛かり、さらに加速度を上げていく彼ら。ここからは多様なアプローチを再び披露。フロアをダンサブルに揺らし、さながら熱帯夜のような空間を作り出したかと思えば、パワー感みなぎるバイブスでうねりを巻き起こす等、自由自在に染め上げていく。オーディエンスもそれに負けじと大きな盛り上がりを見せ、そのリアクションの凄まじさにKO-SHINが「ありがとうございます!」と絶叫するほど、完全にお祭り騒ぎとなっていく。
[Ad4]
