2018.01.31 公開
【ライブレポート】大森靖子が一人きりの弾語りワンマンで中野サンプラザを埋め尽くす ! 個性ほとばしる演奏、そしてファンと触れ合った熱いファイナル公演!

大森靖子 ©Masayo  画像 1/6

アイドルライブの聖地でもある中野サンプラザで、大森靖子がたったひとりのワンマンライブを開催。ステージに登場したのは本人のみ。彼女の手によるピアノとアコースティックギターだけのパワフルな弾語りで、埋め尽くされた会場を一心に惹きつける印象的なライブを繰り広げた。

真っ暗な中、風の音とノイズがこだまする会場。その音が止むと、ろうそくを模したオレンジの光が点々と灯り、ピアノを前にした大森靖子を囲んだ。静寂を破るように響くピアノ。1曲目は衝撃的な歌詞の『M』。時には絞り出すように、時には叫ぶように曲を紡いでいく。

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満員の会場は水を打ったように静まり、ひたすら彼女の奏でるピアノと歌声だけが会場に響く。一部ではスマホ撮影可能とアナウンスがあったものの、ほとんどの観客はじっとステージに目を凝らし、大森のパフォーマンスに引き込まれていた。星で埋め尽くされた夜空を模すかのようなステージ演出が印象的だった『オリオン座』では、それまで奏でていたピアノから離れ、ギターを掲げて後半のくだりを展開。ここからはアコギ1本での弾語りとなった。

アコギをかきむしるように鳴らした『死神』、サビでギターを肩に担いで見ている者をドキドキさせた『マジックミラー』。シックに聴かせる『流星ヘブン』、さらにThe Idol Formerly Known As LADYBABYに提供した『LADY BABY BLUE』。そしてリズミカルに『みっくしゅじゅーちゅ』を歌ってる途中では「スカートがズリ落ちたんで」と突然曲を止めて会場を笑わせる場面もあった。

「改めまして大森靖子です」と、この日初めてのMCがスタートすると「私のMC長いからトイレ行っていいよ」と、お約束の長いトークがスタート。大好きな道重さゆみの話やSNSの「いいね」についてのこだわりを面白おかしく語ると「"いいね"のコール&レスポンスしてね」と『愛してる.com』へ。会場には「いいね!」の声が響き「ありがとー!超楽しい」と本人もゴキゲンだ。

この後も「私の場合"しゃべる"って"考える"よりずっと速いんですよね!」「ヤバい時や機能停止しちゃった時には"壁に頭をぶつける!"がオススメです!」などの持論を披露。子どもの頃から変わっていると言われ続け、小学生の時の卒業文集に「普通の人になりたい」と書いたことや、テレビ出演した時に大好きな道重さゆみと峯田和伸の二人にも「変な人」と言われ、逆にそれを肯定することができたといった話も飛び出し、会場を盛り上げた。

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ごきげんなトーク後の『絶対彼女』では「世の中全部の女の子を肯定できればと思って歌ってます!」と再びコール&レスポンスを展開。「女子!」「おっさん!」「ハーゲ!」とレスポンス対象はどんどんエスカレートし、しまいには「一週間以内に振られた人!」にまで発展。手を上げた最前席の男子にマイクを渡し、その経緯を聞くというインタビューが始まり、その彼にマイクを持たせたまま曲のサビを歌ってもらったりとファンへの愛情たっぷりのパフォーマンスを楽しませてくれた。

その後も「じゃあ私としゃべりたい人ー!」とファンの気持ちに応え、ステージを降りて、リクエストをくれたファンの歌う『剃刀ガール』に合わせてギター伴奏に徹する大サービスも。前半の一挙に弾き語った独断場とは打って変わって、文字通りファンと直接触れ合う一幕に、大森のファンに対する愛情の深さがひしひし伝わってくる。

ここからは再びアコギを抱えての怒涛の弾語りが炸裂。『サイレントマジョリティ』『ワンダフルワールドエンド』『最終公演』『PINK』そして『魔法が使えないなら』まで、駆け抜けるように展開。あっという間のクライマックスとなった。

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本編が終了しステージが暗転した途端、ステージに立ったまま大森が自ら「アンコール!アンコール!」と早々に盛り上げてのアンコールがスタート。「みんな、ステキなライブをありがとう!"せーの"でリクエスト言ってー」との声に合わせ、会場中からリクエストの声がこだまする中で選ばれたのは『お茶碗』。ほのぼのとした後は、いよいよ本当にラスト1曲。「サンプラザはこの曲なしでは終われない!」と始まったのは『ミッドナイト清純異性交遊』だ。弾語りをじっくり聴いていたファンたちも、ここぞとばかりに一斉にピンクのサイリウムを光らせ、サンプラザらしい盛り上がりでラストソングを締めくくった。

この日、弾語りツアーはファイナルとなったが、早くも6月からは新たなツアーが決定。さらに初夏にはCDのリリースも決定したとのこと。次回もまた全く違った大森ワールドの展開が期待できるだけに今から待ち遠しい。

(取材/文:バッキー☆大坂)

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超歌手大森靖子 MUTEKI弾語りツアー
1月20日 中野サンプラザ セットリスト

M1.M
M2.KITTY'S BLUES
M3.夏果て
M4.キラキラ
M5.POSITIVE STRESS
M6.オリオン座
M7.東京と今日
M8.死神
M9.TOKYO BLACK HOLE
M10.マジックミラー
M11.流星ヘブン
M12.LADY BABY BLUE
M13.みっくしゅじゅーちゅ
MC
M14.愛してる.com
M15.絶対彼女
M16.劇的JOY!ビフォーアフター
M17.剃刀ガール
M18.chu chu プリン
M19.アナログシンコペーション
M20.音楽を捨てよ、そして音楽へ
M21.SHINPIN
M22.サイレントマジョリティ
M23.ワンダフルワールドエンド
M24.最終公演
M25.PINK
M26.魔法が使えないなら

EN1.お茶碗
EN2.ミッドナイト清純異性交遊

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