昨年のツアーの追加公演であり、実質的なツアー・ファイナルとなる<KIKKAWA KOJI LIVE 2018 “Live is Life”>のステージが1月20、21日の2日間、昨年11月に完成したばかりの武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで、2daysでのべ18,000人を動員して、開催された。
最初のMCではこんな挨拶。「ツアー、やりたりなかったので、もう1回やらせてほしいとお願いしたら、うまいこと、オリンピックに使われる会場が出来ました。本格的なコンサートは初めてみたいなので、みんなでこけらの落としっこをやろうぜ」 2020年の東京オリンピックではバドミントンと近代五種のフェンシング、パラリンピックの車いすバスケットボールの会場として使用される予定で、かつて水球選手としてオリンピックを目指していた時期もあった吉川にとっては特別な意味を持つ場所でのライブとなった。代々木競技場や東京体育館とも共通する楕円形の建物だが、天井が高くて広々としている。スケールの大きなステージを展開する吉川にはぴったりの会場だ。ツアー・ファイナル的な位置付けであり、あえて曲目はあまり変えず、さらなる完成度の高さを追求した集大成的なステージとなった。
メンバーも昨年のツアーと同じ菊地英昭(G)、生形真一(G)、ウエノコウジ(B)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)という編成。「素晴らしい友に恵まれたなあということを実感したツアーでした。幸せです」という吉川の言葉からもバンドのメンバーとの絆の深さも見えてきた。バンドのアンサンブルもさらに進化して、表現力も破壊力も増している。
骨太な男っぽい歌と演奏が圧巻だったのは「Milky Way」。今回のステージ、花道がアリーナの中央まで伸びていて、その先端がセンターステージになっている。「Milky Way」の途中からは花道を歩き、センターステージに移動しての演奏。吉川が気持ち良さそうにあたりを見渡しながら歌っている。このセンターステージではピアノと歌のみでの「すべてはこの夜に」、ファルセットのフェイクを駆使した「太陽もひとりぼっち」といったミディアム・バラードも披露されて、深みのある歌声によって、会場内が感動の渦に包まれた。
メインステージに戻っての「SPEED」からはノンストップでの展開。「The Gundogs」「GOOD SAVAGE」では吉川、EMMA、生形のトリプル・ギターによるスリリングな演奏が炸裂。基本的な流れは昨年のツアーの延長線上にあるものだが、「MAJESTIC BABY」「恋をとめないで」といったCOMPLEX時代のナンバーが新たに加わった。「Juicy Jungle」では銀テープが発射され、リストバンド型ライト、FreFlowが色とりどりに点滅して、カラフルな空間が出現した。本編最後の「Dream On」では柔らかさと強靱さを備えた歌声で披露し、シンバルキックでフィニッシュ。
アンコール時のMCではポリープの状況の報告もあった。レアなケースだが、ポリープが小さくなってきたこと、手術するかどうかはまだ未定であること、今後1年間は歌わずに治療に専念すること、楽曲制作など、歌わなくてもいい活動を展開していくことが報告された。
さらに来年2月1日、2日に武道館でのライブが発表されて、盛大な拍手が起こった。
