ライブ序盤、MCで桑田がツアーで回った各地を一つ一つ述べ、「どこに行っても温かいお客さんに囲まれて、本当に幸せでございます!ありがとう!」と観客に深い感謝を述べた。「愛のプレリュード」「愛のささくれ〜Nobody loves me」「大河の一滴」「百万本の赤い薔薇」など、ニューアルバム『がらくた』より、最新曲を立て続けに披露。新曲であるにも関わらず、耳馴染みのある楽曲ばかりで、このアルバムが世間に浸透していて、そして、いかにファンがこのアルバムの楽曲たちを楽しみにしてきたかを感じさせる一体感が会場には充満していた。『がらくた』を中心にしたコーナーに続いて、2011年にリリースしたアルバム『MUSICMAN』より爽やかな風を感じさせるナンバー「古の風吹く杜」をきかっけに、過去の名曲も連続で披露。「東京」では、桑田がエレキギター一本で弾き語り、その迫力に観客が息を飲んだ。その後も、ロック、ポップス、ジャズ、バラード、ブルース・・・と桑田にしかなし得ない楽曲の幅の広さで大晦日の横浜アリーナを縦横無尽に彩っていった。
◯NKH『紅白歌合戦』と会場を繋いだ「若い広場」!
「君への手紙」で会場全体がライトの演出と桑田の歌で多幸感に包まれると、今年の年越しライブ中の一大イベントであるNHK『紅白歌合戦』の中継へ。時刻は23時20分頃、ステージにNHK有働アナウンサーが現れると横浜アリーナとNHKホールが中継で繋がった。NHKホールにて司会を務める有村架純の「約10か月にわたって、私が(谷田部みね子を)演じられたのも、この曲があったからです。何度もこの曲に助けられました。感謝の想いを込めて、桑田佳祐さんで“若い広場”。」という曲振りから、有村架純が主演を務めたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』の主題歌であり、2017年の国民歌と言っても過言ではない「若い広場」を披露。あたたかい曲と桑田の歌声、そして観客、飛び入り参加となった有働アナとの大サビの大合唱が、画面を超えてお茶の間に届いたことを確信させた。紅白歌合戦の放送では、『ひよっこ』番外編のドラマにも、浜口庫之助役で出演した桑田だったが、間違いなく今年の紅白を象徴する一幕となった。
紅白の中継終了後も、桑田の勢いは増すばかり。30年前のソロデビュー曲「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」や「波乗りジョニー」といった大ヒット曲を続けざまに投下し、会場のボルテージは最高潮に至ったのだった。
◯ファン14,000人と共に迎えた2018年
