岩手県の盛岡タカヤアリーナからスタートしたMISIAの最新ツアー「STARTS presents MISIA 星空のライヴXIII GRAND HORIZON」の3本目となるライヴが東京・有明アリーナで行われた。2月7日(土)・8日(日)は、強烈な寒波に襲われ、両公演とも雪の影響を受けて開催されることとなった。とはいえ、会場に入ってしまえば、そこからは別世界。MISIAとメンバーが織りなす熱いライヴステージには満点の星空が輝いていた。
ここまで岩手、大阪を経て3ヵ所目ではあるものの、ショーのクオリティとその豪華さがすでに大きな話題となっている。
ドラム、パーカッション、ギター、ベース、キーボード、そして盟友である黒田卓也(Tp)を中心としたホーン隊が3名、コーラス2名、さらにストリングスが14名という総勢24名からなるバンドに、15名のダンサーが加わり、生音を追求してきた星空のライヴでしか味わえないステージが展開されている。
【写真】3本目となるライヴが東京・有明アリーナで行われたMISIA(2枚)
さて。ライヴというものは文字通り生ものであり、いくら綿密にリハーサルを重ねても本番独特の緊張感やそれぞれの会場が持つ雰囲気など、その瞬間でしか起こり得ないシーンの連続であり、それこそがライヴなのだと言える。この日の有明アリーナでは全く予期しないあるハプニングが起こった。
オープニングから最初のブロック、4曲で構成されるメドレーの最後だった。スパニッシュなガットギターのフレーズが印象的なイントロから始まった「LOVE NEVER DIES」は最高の盛り上がりを見せていた。オーディエンスは手にしたキャンドル型のペンライトを左右に振り、黒田のトランペットソロが炸裂する。ソロ明けの歌唱途中、メロディとリズムに乗せてMISIAがステップを踏んだときだった。仰向けに転んでしまったのだ。一瞬、時が止まったようなポッカリとした間が空いたように感じた。
しかし――。音楽は鳴り止まなかった。
その態勢のままMISIAはマイクを離さず、まるで演出かのように歌い続け、起き上がった。何が起こったのかわからずペンライトの手を止めていたオーディエンスがそれまでよりも情熱的に音楽に身を任せる。会場いっぱいに揺れるペンライトの光が、それまでの倍以上になったように思えたし、バンドのパフォーマンスの熱量もそれを境にグッと上がったように感じられた。
The Show Must Go Onという舞台演劇の世界でよく用いられる慣用句があるが、それと「LOVE NEVER DIES」という言葉が重なり、MISIAのステージにかける並々ならぬ想いと、プロとしての意識の高さを見せつけられた思いがした。
そのまま歌い切り、黒田を中心としたジャズセッションによるインタールードへとバトンを渡した。ショーは1秒たりとも止まることはなかった。
2つ目のメドレーパートのあと披露したのは、「夜を渡る鳥」。2月15日(日)にリリースされるデジタルシングルで、リリースと同日からWOWOW・Leminoで放映される連続ドラマ「北方謙三水滸伝」の主題歌として書き下ろされた楽曲だ。バレエダンサーのパフォーマンスとストリングスを中心とした演奏、そこにMISIAの歌声が夜明けを告げる眩い光のように響く。圧巻のパフォーマンスだった。
本編の最後は、このツアーのために書き下ろした楽曲「太陽のパレード」。さらにアンコールでは「Everything」と「アイノカタチ」を披露。なんと、アンコールも含めてトータル25曲、MCなしのぶっ続けでのパフォーマンスだった。25曲という曲数もそうだが、MCなしで歌い切るライヴというのは、これまでのMISIAのキャリアでも初めてのことなのではないかと改めて驚かされた。
「本当にね、地平線が見えてきて、みんなと一緒に越えている感じがします!」
すべての曲を歌い終えた後、その言葉でMISIAはこの日のライヴを締めた。最高の音楽がノンストップで楽しめる約2時間、こんなエンターテインメントは他にない。


