12月22日、あいみょんが「AIMYON TOUR 2025+ヘブンズ・ベーカリー」のファイナルとなる茨城公演を水戸市民会館グロービスホールで開催した。宮崎の都城市総合文化ホールから始まって、全国7都市を回った今回のツアーは「あいみょんが行ったことがない(ワンマンライブを行ったことがない)場所」がテーマの特別なツアー。11月30日にメジャーデビュー9周年を迎えたあいみょんだが、初めての会場ばかりのツアーでフレッシュに、新旧織り交ぜた全21曲を披露した。
【写真】全7公演に及ぶ全国ツアーを完遂したあいみょん(5枚)
開演時刻を過ぎてあいみょんがステージに登場すると、ライブは「愛の花」からスタート。前半は弾き語りでしっとりと聴かせ、途中からサポートメンバーの演奏が加わり、スケール感のある歌声を響かせていく。最初は椅子に座ってじっくりと聴いていたオーディエンスも、続く「初恋が泣いている」から徐々に立って体を揺らし始め、3曲目の「マリーゴールド」では総立ちになり、サビでは一斉に手が振られて、早くも場内には一体感が生まれていた。
「ヘブンズ・ベーカリー、水戸ファイナルへようこそ!」と呼びかけて始まった最初のMCでは、「改めまして、シン・あいみょんです」とショートカットをお披露目。「初めての場所でライブをやるってことは、今こうやってMCするのも初めてやし、全てが初めて。それが新鮮ですごく楽しいなと思ってるし、私の水戸での初めては今日しかないから、初めてを奪われる気持ち。ファイナルなので、みんなで最高に楽しい夜を一緒に作れたらなと思ってますが、どうでしょうか?」という言葉に大歓声が起こる。
「まずはみんなの声を聴かせてもらいたい。みんなの元気なアレを聴かせてもらえたらと思います」という曲紹介からの「ふたりの世界」では、オーディエンスの「セックス!」のコールもバッチリで、パーカッションの朝ちゃんこと朝倉真司が様々な楽器を駆使する遊び心も楽しい。サビでサポートメンバーが順番に歌声を披露する「駅前喫茶ポプラ」では、ラストの<マスター、いつものレモンの効いたチーズケーキを彼女に、ひとつ下さい>という歌詞を、各都市の名物に変えて歌ってきて、この日は「水戸納豆トーストを彼女に、ひとつ下さい」と歌う一幕も。さらには凛とした伸びやかな歌声が印象的な「ジェニファー」、切ない世界観の「3636」と、曲ごとに様々な表情を見せていく。
恒例の双眼鏡コーナーでは、「この中にお医者さんはいますか?」「教師はいますか?」「今日誕生日の人?」などと呼びかけて、オーディエンスと直接コミュニケーションをとり、場内が笑いに包まれるのもあいみょんのライブの醍醐味。そこから再び演奏に戻り、手拍子が楽しい「今夜このまま」に続いて、「鯉」ではギターのクロちゃんことqurosawaと八橋義幸がソロの応酬で盛り上げる。「二人だけの国」で少しクールダウンすると、弾き語りで披露されたのが「恋をしたから」。ピンスポットに照らされ、アコギ一本で切々と歌い上げるスタイルは、やはりシンガーソングライターとしてのあいみょんの真骨頂。同じく弾き語りから始まり、徐々に演奏が加わっていった「いちについて」のラストではステージが眩い光に包まれて、中盤のハイライトに。続く「さよならの今日に」のロックな一面もまた非常に魅力的だ。
11月30日にメジャーデビュー9周年を迎え、10周年イヤーに突入したことを伝えると、「ここから徐々にテンションを上げていけたら」と言って始まったライブ後半戦は、言葉通りに「空の青さを知る人よ」、「ら、のはなし」でジワジワとテンションを上げていく。「ラッキーカラー」からはハンドマイクになり、より自由なパフォーマンスを繰り広げると、一気にギアが上がったのが「マシマロ」で、あいみょんはステージ上でステップを踏み、オーディエンスはタオルを振って盛り上がる。メンバー紹介からの「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」も、カントリー風の軽快な曲調が楽しい。「最初にも言いましたけど、私は水戸でワンマンライブをするのが初めてで、何もかもが初めて。初めてってほんまに鮮明に記憶に残ると思うし、何より一番頭の中に刻みたいのはみんなの歌声かなと思ってます。忘れられない次の曲になったらなと思うんですけど、一緒に歌ってくれますか?」と呼びかけてからの「君はロックを聴かない」での大合唱は鳥肌もので、情感たっぷりに歌い上げた「裸の心」も素晴らしく、クライマックスの連続だった。





