ももいろクローバーZの冬恒例のワンマンライブ『Momoiro Christmas 2025 ODYSSEY』が12月20日(土)・21日(日)の2日間、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催された。今年の『ももいろクリスマス(通称:ももクリ)』は宇宙旅行がテーマ。事前に公開された、まるで異星人のような姿に扮したももクロメンバー4人のキービジュアルが神秘的過ぎると話題に。ももクロは宇宙にちなんだ楽曲も多いことから、宇宙旅行とクリスマスがどのように融合するのかと期待値が高まり、新たなももクリの世界観を楽しみにしていたモノノフ(ももクロファンの呼称)も多かったことだろう。ここでは、ソニーの360立体音響技術によるライブ配信サービス『360 Reality Audio Live アプリ』でも生配信されたDAY2の模様をオフィシャルレポートとしてお届けする。
まずはオープニング映像。会場となったさいたまスーパーアリーナは、宇宙旅行のために用意された特別な宇宙船銀河遊覧船スターダスト・モノノフ号という設定だ。ももクロメンバーは宇宙船のCAとなり、宇宙で最初の『ももいろクリスマス』開催を試みる。そして、そんなももクロとモノノフの宇宙旅行をサポートするのは小型AIの「アイちゃん」(『美少女戦士セーラームーン』などで知られる声優の三石琴乃が声を担当)。開演時間が近付くと、アイちゃんの指揮によりメンバー4人はワープスタンドから『Momoiro Christmas 2025 ODYSSEY』のメインステージへと転送されていく。
メインステージ後方全面に設置された大型LEDビジョンにODYSSEYというタイトルロゴが映し出され、ステージ上にスモークが漂う中、メンバー4人が登場。冬曲「今宵、ライブの下で」でライブはスタートした。ステージのせり上がりと共に、サビの4人によるユニゾンで多幸感が一気に高まると、後半、鈴の音だけが響き渡り、場内にひと時の静寂が訪れる。すると、百田夏菜子の「ここにいるよずっとここにいる」というセリフで大歓声が上がりラストのサビへ。安定のももクリ定番曲で始まったかと思いきや、2曲目は意外な選曲「Wee-Tee-Wee-Tee」。レーザー光線が場内を照らす中、8人の女性ダンサーが加わるとエレクトリカルパレードのようなパフォーマンスを披露。メンバーのコミカルなダンスや可愛らしい手振りとポーズが左右のビジョンに映し出され、ペンライトを振るモノノフの手にもメンバーに送られるコールにも力が入っていくのが感じられた。そして、ビジョンに満月と流れ星が映し出されると、歓声が上がり「MOON PRIDE」へ。さらに、今年7月リリースの最新シングル「Event Horizon」へと続く。『美少女戦士セーラームーンCrystal』と『機動戦士ガンダムアーセナルベース FORSQUAD』の主題歌ということもあり、今回のテーマにも相応しい楽曲だ。バキバキのレーザー演出も加わり、会場のモノノフの熱量がさらに高まったところで最初のMCパートへ。
『ももいろクリスマス』は今年で15回目(15年目)だということ、今回のテーマは宇宙クリスマスであること、最初の衣装は宇宙船のCAをイメージしていることなどが告げられると、自己紹介を経て、「Event Horizon」のカップリング曲「Cosmic Commotion」を披露。サウンドからも宇宙や近未来を想起させるこの曲は、音楽ユニットPAS TASTAが書き下ろしたももクロの新境地的なナンバーだ。前日DAY1で初披露されたばかり。曲の後半でビジョンが四分割され、パフォーマンスする4人の姿が大きく映し出されると、ひと際大きな歓声が上がった。
まさに最初の5曲で宇宙クリスマスの世界観を表現。天使や妖精が舞い踊るようなパフォーマンスと力強い女神のような佇まい。儚さと尊さが同居したようなまったく新しいももクリの幕開けとなった。
ここで再び映像パートへ。メンバーが宇宙船のコックピットに戻ると、高城れにがシルクハットを使った手品の練習に励んでいる。練習ではスカーフや恐竜のフィギュアなどを使っているのだが、本番ではAIのアイちゃんに手伝ってもらい、驚くようなものを出すと宣言。そのまま急いでステージへと向かうのだが、ここでコックピット内の色々なものが倒れ、最終的にAIのアイちゃんも床に転倒、水に塗れて故障しかけてしまう。画面にエラー表記が出た状態のままで映像パートが終了すると…。
次のブロックは大型ビジョンに巨大なクリスマスツリーが映し出され、「サンタさん-ZZ ver.-」からスタート。中盤、お決まりの高城のマジックパート。ドラムロールを受けてシルクハットから飛び出し、大型ビジョンに映し出されたのはももクロのメンバーカラーの4羽の巨大なペンギン。マジックのネタもデジタルへと進化した形だ。そして、モコモコしたボリューム感のある白のコートに衣装チェンジしたメンバーがファンサしながらトロッコでアリーナを進んでいき、最後列まで到着して「メリークリスマス!」と叫んで曲が終わると、アイちゃんが故障でバグってしまった影響により会場に不穏な空気が漂い、アリーナの角から恐竜が登場して場内を闊歩。モノノフから驚きの声が上がる中、ライブは「夢の浮世に咲いてみな」へと続き、メンバーは恐竜から逃げ切るようにトロッコに乗って、再びメインステージを目指していく。その後、センターステージに移動すると、ダンサーを従えてアルバム『祝典』収録の「MYSTERION」を披露。歌詞にもあるように祝祭の始まりを告げると、大型ビジョンに巨大化したAI布袋寅泰が登場して「サラバ、愛しき悲しみたちよ」へ。巨大化した布袋の手によって操られるメンバーのダンスやファイヤー演出など今までに見たことないようなサラバの演出で、会場のボルテージはさらに高まっていく。このように、ところどころに定番曲や人気曲を盛り込みつつも、AIなど最新技術を駆使したエンタメ演出を盛り込み、新たなももクリ像を次々と描いていった。








