2025.12.22 公開
ももクロが冬恒例のワンマンライブ『ももいろクリスマス』を開催。 15回目となる今回のテーマは宇宙旅行。王道と定番を押さえつつも、AIを活用した演出を加えるなど新たなクリスマスライブに!

『Momoiro Christmas 2025 ODYSSEY』(C)KINGRECORDS  画像 1/9

続くMCパートでは、ファミリー席のチビノフの様子などにも触れつつ、「〇〇代の人~?」という恒例のコール&レスポンスを展開。今回も会場には10代以下から80代以上までのモノノフが集結。ももクロの人気とファン層の幅広さを感じさせると、百田が「年齢問わず楽しめるライブになっていますので、引き続き、宇宙の旅をお楽しみください」と語り、再び映像パートへ。

ももクロメンバーがコックピットに戻ると、倒れて水浸しになったAIのアイちゃんの姿が…。佐々木彩夏がドライヤーで乾かすと見事に復活。気になる今回の4人のキービジュアルが次々と映し出され、アイちゃんはメンバーそれぞれの故郷の星についての解説を始める。4人が困惑する中、最後に「ももいろクローバーZは過去も現在も未来も人々を笑顔にするために集い、何度でも立ち上がるのです。あなた達はアイドルという名の英雄であり、神になるべく生まれた存在なのだから。そして、モノノフの皆さんはこれから私がご用意した特別な儀式が行われることを4人には秘密にしてください。皆さんも儀式の参加者。やることは簡単です。彼女達を愛する気持ちをただ祈るだけ」という重要なメッセージを残して去っていく。

その後、天女のような衣装にチェンジした4人がMUSIC VIDEOの神殿をバーチャルセットとして再現したステージに登場すると「Heroes」で後半戦がスタート。ダンサーと共に移動しながらパフォーマンスする様子をステージ上のカメラマンが動きながら撮影。両サイドのビジョンに映し出され、メンバーを近くで感じられるような没入感溢れる演出に。続いて、スモークとレーザー演出が加わると、布を使って舞い踊るダンサーと共に「月色Chainon」をパフォーマンス。さらに、ピアノの音色が印象的なバラード曲「きみゆき」と「白い風」へと続いていく。この2曲ではコールや声援を送ることなく、楽曲の世界観に浸りながら4人の姿を見守るモノノフがとても印象に残った。特にせり上がったセンターステージで歌われた「白い風」では、玉井詩織の歌い出しから楽曲の世界へと一気に引き込み、大量のシャボン玉がふわふわと舞う中、Cメロから1人ずつハイトーンで歌い繋いでいく展開とミラーボールが回り、百田の落ちサビからラストへ向かっていくエモーショナルな流れ、今年のももクリのハイライトのひとつだったと言っても過言ではないだろう。多くのモノノフが今年もこの曲を生で聴けた喜びを噛み締めていたに違いない。余韻に浸りながらも、客席の各所からアウトロ途中で拍手が沸き起こっていたのもとても印象的だった。

そして、壮大な宇宙旅行の末に、待ち受けていたのはモモクロニック・スーパーノヴァという超常現象だ。その後、真っ暗なセンターステージの空間で4人が歌い始めたのは「idola」。2024年リリースの7thアルバム『イドラ』に収録されていながら、ライブでは一度も披露されてこなかった楽曲(この曲も前日のDAY1で初披露)。真っ白なマントを纏い4人が歌う姿がモノクロ映像で映し出されるなど荘厳な始まり方にモノノフも息を飲んで見守る。8分ほどの大作とも言える楽曲だが、今回のようなコンセプチュアルなライブだからこそ、セットリストに組み込むことができたのだろう。間奏では光る玉を持ったダンサーを従えて、まさに闇の儀式とも言えるような壮大な演出に。そして、曲の中盤、ロック調のアレンジに展開したところで、バンドメンバーがステージ上に登場し、センターステージに移動した4人が纏っていたマントを脱ぎ去ると、この日初めてメンバーカラーの衣装にチェンジ。すると、緊張感から解放されたモノノフの盛大なコールも加わり、楽曲のエンディングへと向かっていく。ODYSSEY=長い旅路と冒険を経たことで、ももクロの4人を英雄からイドラ(偶像)へと昇華させた物語のクライマックスを表した形だ。

「彼女達はその光で人々を救い続ける。何度生まれ変わろうとも…」というナレーションで締め括ると、ここからさらにぶち上げていくことを宣言するかのように、生バンドによる「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が流れ出す。大きく名前を呼んでという「idola」の最後の歌詞を受けたモノノフのコールが大爆発し、会場がひとつになったところで「行くぜっ!怪盗少女-ZZ ver.-」がスタート。リリックビデオ風に歌詞が次々と映し出されると、畳みかけるように「CONTRADICTION」へと続く。そして、大きく揺れていた会場のペンライトの光がクリスマスカラーの赤や緑などに制御されて、「SECRET LOVE STORY」へ。さらに、再びダンサーが加わり、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が手がけた「レナセールセレナーデ」を披露。長い旅路を経て辿り着いたこのパートは、ももクロの原点からスタートし、最新のアンセムまで一気に歌い繋いでいくという熱く濃いブロックとなった。

最後のMCパートで、ここまでのライブを振り帰りながらラストスパートに向けてモノノフを煽ると、「可視光線」からラストブロックに突入。こちらもDAY1で初披露された今年リリースの新曲だ。ミラーボールに照らされた高城の落ちサビが新鮮に響いたほか、生バンドとの相性の良さや4人の声の魅力とユニゾンの心地良さが再確認できるようなパフォーマンスだった。リリース時のインタビューでは令和版「コノウタ」だと語られていただけに、これから先も大事に歌い繋いでいく曲になってほしいと願ったファンも多かったことだろう。そして、ラストは「月と銀紙飛行船」。間奏に乗って、高城が「私達とのODYSSEY、楽しんでくれましたか?15回目のももクリ、そんな節目を皆さんと過ごせてとっても嬉しいです」、佐々木が「寒い中来てくれて本当にありがとうございました。みんなの笑顔が何よりもクリスマスプレゼントです」と感想を伝えると、玉井も「今日のことがみんなの記憶に残って、一緒に笑い合えるような1日になっていたらとても嬉しいです」と語り、百田が「2026年も私達と一緒に過ごしてくれますか?みんないつもありがとう。大好きだよ。メリークリスマス!」と締め括る。そして、4人がステージ中央に集まると紙吹雪が舞う幻想的なラストのサビへと突入。バイオリンの優しい音色も加わり幸せ溢れる空気感に包まれる中、今日も明日も僕らの旅は…と歌い上げると、宇宙船は遥か遠く宇宙空間へと消えていき、温かい拍手に包まれて宇宙旅行クリスマスはフィナーレを迎えた。

すぐさま、客席からアンコールが沸き起こると、左右のビジョンにはサンタ帽を被ったチビノフの姿が次々と映し出され、その場にいる誰もがほっこりとするようなお馴染みの光景が広がっていく。そして、今回のライブグッズTシャツに着替えたメンバーが再びトロッコに乗って登場。モノノフへの感謝を伝えながら「L.O.V.E」と「泣いちゃいそう冬」の2曲を披露しながらアリーナを一周するアンコールらしい多幸感溢れる時間を経て、メインステージに戻るとグッズ紹介の時間に。すると、ここで高城が勝手に「れにちゃんのエンジェル通信」なるコーナーを開始。3人と会場が困惑する中、2026年のももクロのスケジュールとして、『ももクロイマーシブ映画祭「Momoclo Cinematize!!!!」』、『ももクロ結成18周年記念イベント東京ももクロランド』、『ももクロ秋の桃神祭』、『ももクロクリスマスツアー』、そして、まさかの大晦日開催の『第10回ももいろ歌合戦』などを次々と発表。高城は満足げにコーナーを終えた。突然のサプライズ発表に多くのモノノフが歓喜する中、いよいよアンコールもラストスパート、残り2曲に。まずはセンターステージへと移動しながら「いちごいちえ」を披露。4色のペンライトで染まった圧巻の景色が広がる中、終盤の百田の落ちサビからモノノフとのお馴染みのきやがるんだなコール、そして、数秒間のブレイクを経てラストのサビへ。大型ビジョンには「ありがと」の文字が大きく映し出されていた。そして、最後の1曲は「モノクロデッサン-ZZ ver.-」。ステージ上を移動しながら、時に手を繋いだりハイタッチしたりしながら歌う4人の姿はとても愛おしく感じられたのではないだろうか。後半、ダンサーとバンドメンバーの紹介を挟み、ラストのサビへ。どの色が欠けてもこの夢の続き描けてないからいろいろあったけどめげずにいくのさという歌詞はこのタイミングで聴くからこそ、より心に沁みわたったことだろう。最後は「せーの!」の合図でモノノフと一緒にジャンプして曲が終わると銀テープが舞い上がり、15回目の『ももいろクリスマス』は終了した。

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