この曲について、Nonokaは「最初にこの曲を提出したとき、広瀬さんに『感動しない』と言われた」と明かし、そこから「Listenとは何か」を言語化して送るという課題が出されたという。
映画『ドリームガールズ』を見直し、ビヨンセなりの「Listen」を自分の中で噛み砕いたうえで、「NonokaなりのListen」を文章にして広瀬に提出。そこから何度もブラッシュアップを重ねたという一曲だけに、この日の歌唱には、言葉以上の説得力と感情が宿っていた。
続いてのソロステージはMomoka。シンガーソングライター・上田桃夏として活動を続けてきた7年間に触れながら、「ここまで来られたのは、ずっと応援してくださったファンの皆さんのおかげです」「UtaHimeとしても、上田桃夏としても、どちらも全力で頑張りますので、どうか両方の応援をよろしくお願いします」と語り、自身が作詞作曲を手がけたオリジナル曲「青のイヴ」を披露。冬の情景と、報われない恋心を綴った切ないバラードを丁寧に紡ぎ、会場をしっとりとした空気に包み込んだ。
ラストのソロに登場したSayakaは、「唯一無二の他にはない新しいアーティストになること」が自身の目標だと明かす。現在は音楽大学に通い、音楽理論や作曲、DTM、歌、ピアノなどを日々学んでいると語り、「全部、新しいアーティストになるために必要なことだと信じて、基礎から積み上げています」と、真っ直ぐな眼差しでコメント。
選んだ曲は、憧れのアーティスト・レディー・ガガの「Born This Way」。なんとこの日の音源は、Sayaka自身が制作したものだという。Sayaka独自のアレンジに、芯の強いボーカルを乗せたパフォーマンスは、「自分のサウンドで世界に挑みたい」という決意をそのまま音にしたような、エネルギッシュなステージとなった。
ソロコーナーのあとは、再び3人がステージに集合。ここで披露されたのは、彼女たちのプロデューサーである広瀬香美の代表曲「ロマンスの神様」。
「私たちらしく歌わせていただきます」と前置きして始まったパフォーマンスは、オリジナルへのリスペクトを込めつつも、3声のコーラスワークや掛け合いで「UtaHime流」に再構築したもの。会場も手拍子で一体となり、フロアはまさに「冬のラブソング」らしい多幸感に包まれた。
本編ラストに選ばれたのは、再び「FIGHT SONG」。「この曲は、私たち3人の絆を強く固めてくれた大切な応援歌です」と紹介し、「今日は、私たちがこの曲を歌うたびに身につけてきたパワーを、全部ここで出し切ります!」と宣言してからの歌唱は、1曲目とはまた違う表情を見せた。
オーディションから始まった3人の物語は、メジャーデビューシングル「FIGHT SONG」と共に、ようやく本当のスタートラインに立ったばかり。「世界の歌姫」を目指す彼女たちの挑戦は、ここからさらに加速していきそうだ。






