2025.12.09 公開
Sakurashimeji、自身主催の対バンツアー『Sakurashimeji Live Tour 2025「唄と謳」』完走!みんなと音楽を楽しんでいる喜びやこのライブに懸ける気合いの溢れる公演に!

Sakurashimeji(写真:鈴木友莉)  画像 1/5

ラストスパートをかけるため、雅功がエレキに持ち替える。ドラムのビートが曲間を繋ぐなか、雅功は熱い言葉を観客に次々と投げかけ、コール&レスポンスを導く。その姿があまりにも情熱的だったからか、彪我から思わず笑みがこぼれ、雅功が「お前もだよ!」とツッコむという微笑ましい場面もあった。そうしたやりとりもありつつ、場内のテンションが最高潮に達したところで「大好きだったあの子を嫌いになって」がスタート。続く「英雄のススメ」は、ライブでの光景を思い描いて制作された曲。バンドが阿吽の呼吸で鳴らす鋭いキメや、彪我の抒情的なフレーズを翼に変えて、全身全霊で歌う雅功は完全にゾーンに入っている。ベースとドラムのソロ回しを経て、満を持して彪我がギターソロを披露する場面も最高だ。観客も積極的に声を出したり、拳を突き上げたりしながら全力で応える。2人が楽曲制作時に思い描いた通り、いやそれ以上の爆発的な盛り上がりが生まれた。そして「明日を」では、掛け合いを経て、雅功と彪我の歌声が一つになる。観客の歌声も加わり、フロアに力強く響いた。

ライブの終盤に差し掛かり、彪我は「やっぱりツーマンライブって楽しいです」と笑顔を輝かせる。対して雅功は、「自分たちで曲を作るようになって、それが世に出てから……4年くらい?」と回想。それまでは憧れだけで音楽をやっていたが、この4年間は妬みや嫉みも原動力になっているのだと打ち明けた。この日共演したリュックと添い寝ごはんのメンバーと、雅功と彪我の年齢は同じ。雅功は早くから世界観を確立していたリュックと添い寝ごはんにかねてから敬意を抱いていたが、だからこそ、自己嫌悪に陥ることもあったという。そして「でも、そんな自分を助けてくれるのも音楽なんですよね。自分の感情に素直になって音楽をやろうって、改めて思いました。そう思えたのは11年間続けてこられたからこそ。今日こうして顔を突き合わせて僕らの音楽を聴いてくれるみなさんがいてこそだと思ってます」と語った。

「同じ気持ちだよって、ちょっとでも分かってくれたらなと思いながら歌います」。ラストナンバー「normal」は、そんな言葉とともに届けられた。ギターの演奏を彪我に任せた雅功は、マイクを手に、感情をぶつけるようにしてこの曲を歌った。MCで語られた雅功の葛藤が、歌詞の中でもう一度赤裸々に響くなか、観客は自分の声をそこに重ね、穏やかに寄り添う。「またライブハウスで会いましょう」。そんな約束とともにライブは幕を閉じた。

充実の対バンツアーを終えたSakurashimejiは、12月29日の忘年会ライブ『きのこりあんの集い Vol.Miracle X』まで、2025年を全力で走り切る。そして来年2月15日には、LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)でワンマンライブ『Sakurashimeji Hall Live 2026「▷再成」〜Sakurashimejiが6年越しに渋公リベンジするってよ!〜』を開催。2月21日からは、2人編成での全国ツアー『Sakurashimeji 桜TOUR 2026』がスタートするなど、2026年の楽しみも満載だ。

セットリスト
1. who!
2. ランドリー
3. いつかサヨナラ
4. ガラクタ
5. ただ君が
6. 春が鳴った
7. 大好きだったあの子を嫌いになって
8. 英雄のススメ
9. 明日を
10. normal


写真:鈴木友莉
文:蜂須賀ちなみ

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