そして、今回のツアーに込めた訪れるすべての場所にワクワクを届けたいという思いを象徴するように、ホールならではの距離感を最大限に活かしたikura発案の「アコースティックセッションコーナー」へ。メンバーが客席へと歩み寄り、選出したお客様にその場で楽曲を選んでもらい、すぐ隣でアコースティック歌唱を披露する特別企画だ。まさに物理的にも心の距離も近く音楽を届けたいという想いが形になった時間であり、一夜限りのパフォーマンスに涙ぐむ姿も多く見られ、会場全体が温かく包まれるハートフルなひと時となった。
その後は再びステージへ戻り、背面に大きく映し出されるYOASOBIの文字を模したLED、照明、レーザー演出と共に楽曲の世界へ深く引き込んでいく。続くMCでは、今回のツアーを通して地球半周以上の距離を飛び回り、その先々で出会ったお客さんと強い絆を結べたことへの感謝を丁寧に語ったうえで、「39本の公演を経て繋ぎ、作り上げてきた舞台を、今日ここで皆さんと一緒に完成させたい」という思いを告げ、力強くギターを鳴らした。
そこで披露された「舞台に立って」では、今を全力で生きるすべての人を励ますような歌声が響き渡った。さらに、最長のツアーを共に支えてきたバンドメンバー紹介を挟み、「怪物」「セブンティーン」とエネルギッシュなナンバーを連投。メンバーの煽りも重なり、会場の熱気は最高潮へ。ラストは「群青」「PLAYERS」を会場全体の大合唱とともに締めくくり、本編は大きな余韻を残して幕を閉じた。
暗転するや否や、アンコールを求める大きな声援と、沖縄ならではの華やかな指笛が会場を駆け抜ける。再登場したメンバーを、客席は歓声と拍手で温かく迎えた。アンコールは、1曲目に最新曲「劇上」、2曲目にデビュー曲「夜に駆ける」という、YOASOBIの歩みを象徴する2曲で構成され、感動的なフィナーレを迎えた。
初の40公演に及ぶホールツアーを駆け抜けたYOASOBIは、ライブだけにとどまらず、その土地でより多くの人に楽しんでほしいという思いから、チケットがなくても参加できる「WANPAKU MATSURI」を各地で開催。自身監修のカレー販売や、移動式書店「BOOK TRUCK」とのコラボ店舗「旅する本屋さん YOASOBI号」、ご当地名物とのコラボグッズ、地域飲食店の出店など、YOASOBIらしさと地域性が融合した賑わいを生み出した。また熊本と沖縄公演では、会場近くでパブリックビューイングも実施。ライブにとどまらず地域全体を巻き込み、5か月にわたりワンダーランドを築き上げてきた。
そして千秋楽となる沖縄公演の中で、日本人アーティストとして初となる「アジア10大ドーム&スタジアムツアー」開催が発表され、YOASOBIのさらなる飛躍に大きな期待が寄せられている。




