ステージ上には存在感抜群のバイクがセットされており、「これいいでしょ。愛車。風車は飾り」とユーモアたっぷりに紹介。ダークで荘厳な世界観と、どこか茶目っ気のあるMCとのギャップに、客席からは思わず笑いも漏れる。重厚さとポップさ、その両方を自在に行き来できるのも彼らの魅力だ。
続けて披露したのは『P0WER-悪霊退散-』。タイトルコールとともに客席からは自然と手拍子が起こり、「悪霊退散!」のフレーズでは大合唱に。心臓に直接響くようなヘヴィなビートに合わせて、フロア中で拳が高く突き上がる。ステージから「祓い」のエネルギーが放たれ、それを受け止めるように観客も全身で応える、スリリングな一体感が生まれていた。
熱気冷めやらぬまま、続いて『Drip』へ。うねるようなリズムと妖しさを帯びたメロディが会場を包み込み、ボーカルの表情豊かな歌声と、緩急自在のバンドアンサンブルが楽曲の世界観を立体的に描き出す。照明が曲に呼応するように点滅し、ステージ上にはダークで耽美な空気が漂う。まさに「魅せる」一曲で、その圧巻のパフォーマンスに、多くの観客が息を呑んでステージを見つめていた。
-真天地開闢集団-ジグザグ<サントリー オールフリーpresents 氣志團万博2025 関東爆音パビリオン powered by Epson>(撮影:釘野孝宏) 画像 3/6
空気をガラリと変えるように、ここで投下されたのは大人気曲『きちゅねのよめいり』。キャッチーでキュートなフリが特徴的なナンバーで、メンバーの動きに合わせて客席も全力で振り付けに参加する。激しいヘドバンだけがロックではない。笑顔とダンスでステージとフロアが一緒に遊ぶ。そんなフェスならではの光景が、幕張メッセのフロアいっぱいに広がっていく。「こういうのがフェスの醍醐味」と思わせてくれる、多幸感に満ちた時間だった。
ラストナンバーは『Nighty night!』。疾走感あふれるサウンドと、どこか切なさを帯びたメロディが、クライマックスにふさわしい高揚感を生み出す。サビでは大きなクラップとシンガロングが起こり、会場は一体となってジャンプ。メンバーもフロアをたっぷり煽りながら最後までギアを落とすことなく駆け抜け、ステージと客席のボルテージは最高潮に達したまま本編を締めくくった。
【氣志團万博とは】
氣志團万博とは、ロックバンド・氣志團が主催する音楽フェス。團長・綾小路 翔の「最高の仲間を集めて、最高の音楽を鳴らして、最高の時間を作りたい」という熱い呼びかけに応え、ロックのみならずポップス、アイドル、歌謡曲、演歌など、ジャンルの垣根を越えた豪華出演者が集結してきたイベントだ。毎回、ここでしか見られないコラボや化学反応が生まれ、アーティストとオーディエンス双方にとって、新たな出会いと発見の場となっている。





