聖飢魔II<サントリー オールフリーpresents 氣志團万博2025 関東爆音パビリオン powered by Epson>(撮影:青木カズロー) 画像 3/8
その後、ステージは突如としてブラックアウト。音も光も消えた静寂の中、客席からは構成員の名を叫ぶ声だけが響く。張りつめた暗闇を切り開くように、妖しく歌い上げるギターソロがステージ上空を舞い、『アダムの林檎』がスタート。デーモン閣下はステージの左右を縦横無尽に歩き回り、指先から視線の先まで全てを使ってドラマチックな世界観を描き出す。その圧巻の表現力に応えるように、観客もサビでは身体を揺らし、拳を突き上げながら大きな歓声を送った。
黒ミサも終盤戦に差し掛かったところで、会場に突如バースデームードが訪れる。「お前も蝋人形にしてやろうか。お前の誕生日を祝ってやろうか!」とデーモン閣下が不穏かつ楽しげに煽ると、会場にはお馴染みのフレーズに沸く信者たちの歓声が響き渡る。来週11月21日には、構成員・ライデン湯澤殿下(D)の発生日(誕生日)が控えており、そのお祝いとしてステージ上には巨大なケーキが登場。客席からは自然発生的に拍手が巻き起こり、祝福と笑いが入り混じった温かい空気に包まれる。その流れから『蝋人形の館』へとなだれ込むと、イントロが鳴り響いた瞬間、会場のボルテージは最高潮に。サビではお決まりの蝋人形コールが起こり、地鳴りのような大合唱が幕張メッセを揺らした。
聖飢魔II<サントリー オールフリーpresents 氣志團万博2025 関東爆音パビリオン powered by Epson>(撮影:青木カズロー) 画像 4/8
黒ミサのクライマックスには、氣志團の團長・綾小路 翔が、聖飢魔II風のメイクと衣装に「イメチェン」した姿でステージに召喚される。悪魔軍団の中に混じっても違和感のない出で立ちで、デーモン閣下との掛け合いや煽りで客席をさらにヒートアップさせていく。その光景は、氣志團万博でしか見られない「悪魔とヤンキー」の夢の共演と言っていいだろう。
ラストを飾ったのは『Jack The Ripper』。切り裂くようなギターと唸るベース、暴れ回るドラム、そしてデーモン閣下の強烈なボーカルが一体となり、会場は阿鼻叫喚の大騒ぎに。サビでは拳がいくつも突き上がり、ヘドバンとジャンプが入り混じるカオスな光景が広がる。最後の一音が鳴り終わると、黒ミサの終焉を惜しむように、拍手と歓声がいつまでも鳴り止まなかった。






