2025.11.09 公開
【ライブレポート】羊文学、まるで1本のドラマのようなライブ!3人が作り出すグルーヴに身を委ねる<テレビ朝日ドリームフェスティバル2025>

羊文学<テレビ朝日ドリームフェスティバル2025>©︎テレビ朝日ドリームフェスティバル2025 / Photo by 岸田哲平  画像 1/15

シャキシャキッとしたクリーントーンのギターの音が場内中を駆け巡る。切っ先鋭く尖った演奏の上で、淡く、アンニュイな歌声とコーラスが響き渡る。『mild days』だ。曲を重ねるごとに、心地よくも不思議なトリップ感を与える歌声と演奏に心が落ちてゆく。だからずっと、ゆったりと身体を揺らし続けていた。

幻想的な音が場内を包みこむ。ドラムカウントを合図に楽曲は躍動したリズムを刻みだす。唸るベースの音が胸を嬉しく騒がせる。大らかで力強い歌声が先頭に立って楽曲を牽引していくと言えば良いだろうか。羊文学流のエモーショナルなダンスロックナンバーの『OOPARTS』に身を委ねながら、身体をずっと揺らしていた。次第に激しさを増す音のウネリの中に誰もが包み込まれていた。ほんと、心をどこか異世界へと連れ出していくライブだ。エモくもダウナーなグルーヴが、現実を消し去っていく。それくらい羊文学の歌と演奏に夢中になっていた。終盤、一気に激しさを増すように楽曲が唸りを上げて駆けだした。場内中からは熱いクラップが鳴り響く。メンバーらが、ステージの前へ前へと踊り出ていた姿も印象的だった。

【ライブレポート】羊文学、まるで1本のドラマのようなライブ!3人が作り出すグルーヴに身を委ねる<テレビ朝日ドリームフェスティバル2025>羊文学<テレビ朝日ドリームフェスティバル2025>©︎テレビ朝日ドリームフェスティバル2025 / Photo by 岸田哲平  画像 4/15

エクスペリメンタルな音色が心地よい。塩塚モエカの歌に合わせて、場内中からクラップが鳴り響く。言葉のひと言ひと言を大切に紡ぐように『未来地図2025』を歌う様も印象的だ。羊文学は、記憶の旅を巡るように歌声と演奏をはべらせる。途中から楽曲は一気に熱を帯び始めた。「私たちの握る地図は」など、言葉の一つ一つを大切に、そこへ熱を加えるように歌う塩塚モエカの姿も印象的だ。羊文学のライブは、1本のドラマを描くように進んでいく。ライブに触れながら、一つ一つ異なる曲が、長大な物語を彩る一つ一つの場面のようにも感じていた。寝ても覚めても忘れられないような素晴らしい想いに染め上げてくれたライブだった。塩塚モエカのエモさを増していく歌声も、胸に心地よかった。

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