2025.11.09 公開
クリープハイプは、ゆったりと、でも強烈なエナジーを持ったミドルメロウな『二十九、三十』を届けてきた。激しく唸る演奏の上で、揺れ動く感情のままに歌う尾崎世界観。言葉のひと言ひと言が胸を揺さぶるのが、嬉しい。それくらい自分の気持ちと重なる心の曇りを彼は歌にして届けてくれる。だから、その想いや歌声、演奏を求めたくなる。
尾崎世界観がアコギを弾き語りながら、「後悔の日々があんたにもあったんだろ」と想いを吐き出すように『傷つける』を歌いだした。そこへ優しく演奏が寄り添いだす。最後にクリープハイプは、この場にいる一人一人の心にしっかりと爪痕を残すように歌っていた。シンプルな演奏の上だからこそ、言葉のひと言ひと言が、心臓をぐっと摑んで揺さぶっていた。力を持った魂を揺さぶる歌は、いつだって人の心に想いを突き刺してゆく。それを最後に感じられたのが嬉しかった。ここにいる誰もがステージの上を心の目で見つめていた。この瞬間瞬間を、心の中に消えない傷跡としてしっかりと残していった。
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