SHISHAMO<テレビ朝日ドリームフェスティバル2025>©︎テレビ朝日ドリームフェスティバル2025 / Photo by 岸田哲平 画像 3/17
ドラムロールを合図に、ミドルメロウな歌と演奏が流れだした。宮崎朝子は胸の内に抱いたもどかしい想いを零すように『ハッピーエンド』を歌っていた。そんな乙女の心模様へ演奏が寄り添う。「これ以上好きになったらどうなっちゃうのか」と、好きだからこそ抱く感情を、宮崎朝子は心の声を漏らすように歌っていた。とてもグルーヴィーな演奏だからこそ、宮崎朝子の歌に込めた想いが、深い惑いを持って響いていた。もどかしくも切ない恋心に、同じように想いを重ねて聴いていた人たちもきっと多かっただろうか。場内中の人たちが、その歌声と演奏にじっと耳と心を傾けていた。
ここからさらにテンションを上げようと、SHISHAMOはアグレッシブなギターのリフも印象深い、躍動した『最高速度』をぶつけてきた。力強くエネルギッシュな歌声と演奏に刺激を受けて、気持ちが熱く騒ぎだす。疾走する楽曲の中にも、巧みに緩急のある表情を付けながら演奏は突き進む。3人とも攻めた感情のモードで。でも、しっかりと揺れる心の動きに合わせた演奏を届けていた。
ザクザクッとしたギターの音が響き渡る。続く『狙うは君のど真ん中』でも、疾走する演奏へ、3人はさらにエモーショナルな追い風を吹かせるように歌い奏でていた。曲が進むごとに激しさと熱が増していく歌声も印象的だ。途中には、ワイルドに攻めたプレイも披露。演奏がエモさをどんどん増す様に、歌声にコーラスが重なるごとに、気持ちが熱くなる。まさに、沸き立つ感情のど真ん中にぶっ刺さる楽曲だ。
SHISHAMO<テレビ朝日ドリームフェスティバル2025>©︎テレビ朝日ドリームフェスティバル2025 / Photo by 岸田哲平 画像 4/17
シャキシャキッと切れ味の良いギターのリフを合図に楽曲がスタート。場内中から熱いクラップも響きだす。軽快に駆ける『明日も』の上で、宮崎朝子が甘い声も魅力に、愛らしく歌う姿が印象的だ。軽やかに跳ねた演奏に身を委ねていると、一緒に心も身体も弾みだす。気づいたら場内中からたくさんの手が上がり、演奏に合わせて大きく揺れていた。この曲に触れていると、ちっぽけなことなどすべて吹き飛ばし、スカッと晴れやかな気分で明日へ向き合っていける。それが嬉しかった。さぁ、跳ねた演奏に乗せて、いろんな不安など彼方へ吹き飛ばしてしまえ。そして、一緒に明日へ向かって走ろうよ。
TEXT:長澤智典






