2025年6月に始動。活動を始めて間もない中、MAQIAは9月から初のツアーをスタート。東京・韓国・愛知・大阪と続いたONEMAN TOUR「灯火」は、ふたたび東京での公演を持ってFINALを迎えた。始動からまだ半年なのに、場内には大勢の観客たちが足を運んでいた。それだけ、MAQIAの音楽に胸を揺さぶられた人たちが短期間で増えたという証だ。ここでは、10月24日(金)に渋谷WWWで行われたFINAL公演の模様をお伝えしたい。
とても神秘的な、この場にいる人たちを異世界へと誘うような壮麗な音色(SE)だ。その後、一瞬のブレイクを合図に、楽曲が猛々しく響きだす。メンバーらの登場に合わせて、フロア中から上がる歓声。そして…。
大賀廉人が、大きな声を張り上げて「あなたと生きよう」と歌いだすのを合図に『灯詩』が飛び出した。荒々しくも派手な音の鳴る演奏に乗せて歌う大賀廉人のエモーショナルな声が、観客たちの心を熱くときめかす。ざらついた攻撃的で重い演奏が有無を言わさず身体を揺さぶる。その激しさへ、熱情した思いを注ぐように大賀廉人は歌っていた。その声が、胸を熱く騒がせる。
MAQIA(※提供画像) 画像 2/13
大賀廉人の誘いに応えるように、フロア中の人たちが両手を高く上げて手拍子を始めた。哀愁を帯びたギターの音色が流れだす。そこへ重厚な音が覆い重なるように響きだした。『Where's The Fire』だ。次第にエモさと熱を増す演奏に刺激を受けて気持ちが高ぶる。その気持ちを、フロア中の人たちも手拍子や拳に変えてメンバーらへぶつけていた。次々と転調しながら熱とエモさをどんどん増してゆく楽曲だ。手を高く振り上げ、ときに飛び跳ねながら歌う大賀廉人に煽られ、フロア中の人たちの感情にも燃え盛る炎が生まれていた。
変拍子の利いたトリッキーな演奏も印象的。MAQIAは、『Limit』を通して観客たちの両手を高く上げ、熱い手拍子をこの場に作り上げた。メンバーらの突きつける一音一打が、身体中にズシンと襲いかかる。その衝撃に気持ちを煽られ、手を大きく振らずにいられなかった。
志雄の荒ぶるドラムの音を合図に、TaJIのギターが火を吹いた。一気に攻撃性を増した4人は、『未完成謳歌』を通して、この会場に熱情した景色を描きだす。強烈な一打一打を放つ志雄のビートに、唸りを上げながらも踊るようなフレーズを絡ませるmaloのベース。荒々しい演奏の中へドラマを描きだすTaJIのギター。その上で、気持ちの高ぶるままにエモい歌声で思いをぶつける大賀廉人。4人の感情をダイレクトに受け止めた観客たちが、その場で両手を高く上げて跳ね続けていた。高揚一体化した歌と演奏が、たまらなく胸を熱く掻きむしる。
Lento(MAQIA)(※提供画像) 画像 4/13
MCでは、「もっと心から音楽を楽しんでいきましょう。一緒に最高の日にしていきましょう」と、今の素直な思いを言葉にしていた。
愛しい人へ向け、胸に秘めた熱い想いを届けるように大賀廉人の歌声から始まったのが『ロミオとシンデレラ』。ザクザクとした荒々しい演奏が身体を揺さぶる。その上で大賀廉人は、一人一人に向けて言葉を伝えるように。いや、告白するように歌声を届けてきた。同期の音も印象深い、キャッチーなのにスケールの大きい楽曲だ。それは、彼らの心の情景が、そのまま歌や演奏として形を成しているから。だから、大賀廉人の歌う「わたしはここにいるよ」の言葉を受け止めては、この幸せを生み出す場所をこれからも一緒に、大切に育み続けようと約束を交わしていた。
志雄(MAQIA)(※提供画像) 画像 5/13
志雄の叩くビートに乗せて、フロア中から手拍子が鳴り響く。「この曲は憂鬱な朝に書いた歌」という大賀廉人の言葉を合図にMAQIAが届けたのが、『Lonely Morning』。志雄のアタックの強いドラムとmaloの躍動するベースにTaJIの印象的なギターのフレーズが絡み合い、気持ちを跳ねさせる。大賀廉人も、ときにファルセットも交え、どこか哀愁を帯びた歌声で、胸の内にわだかまる気持ちをすべて消し去ろうと歌っていた。間奏で響かせた、TaJIの踊るようなギターソロも印象的だ。激しく攻めて蹴散らすだけがMAQIAじゃない。感情の内側に渦巻く想いを消し去るのも彼ららしい表現のスタイルだ。
malo(MAQIA)(※提供画像) 画像 6/13
切々としたピアノの音色に乗せて、大賀廉人が“好きだけれど別れを選ばざるを得なかった思いを、今にも涙こぼれそうな声で歌っていた。『滲んだ涙』、なんて胸をグッと締めつける哀しいバラード曲だろう。大賀廉人は今にも壊れそうな感情を、悲痛な声で吐き出すように歌っていた。その感情へ楽器陣が荒々しくも雄大な演奏で寄り添うところに、この曲の持つ奥深さを覚えていた。とくにmaloのベース演奏は、悲しみに激しく揺さぶられる心模様のようにも響いていた。曲が後半へ向かうにつれて、演奏がドラマチックさを増して鳴り響いていったのは、むせび泣く感情の現れか‥。
大賀廉人の歌声を合図に、演奏が一気に猛りだした。MAQIAは跳ねた演奏も印象的な『最後の嘘』を通して、またも観客たちの感情を熱く騒がせだす。馳せる気持ちを早口で歌う大賀廉人。ドライブした熱い演奏が、歌詞に記した切ない恋心を掻き立てる。曲が進むにつれ、躍動する楽曲に合わせてフロア中でも手拍子が鳴り響く。巧みに緩急を付けながら、哀愁を抱いたドラマは、胸を掻きむしるように進んでいった。なんて、泣かせる歌なんだ。
ふたたび、大賀廉人の切なくエモーショナルな歌声を合図に始まったのが『リリイ』。TaJIの攻撃的なギターのリフが身体を貫く。志雄とmaloのリズム隊が、感情を露にした思いを胸に歌う大賀廉人の声を、荒々しくも切れ味鋭い演奏で掻き立て、背中を押してゆく。この曲では、TaJIのエモーショナルなギターの旋律も炸裂。今にも壊れそうな心模様を、ダイナミックな演奏とエモい歌声に乗せて表現。4人は、一人一人の心に切ない傷を刻んでいった。
MCでは、大賀廉人を煽る志雄の姿があった。そのやり取りに続いて届けたのが、志雄のドラムソロ。荒々しいドラムロールを合図に、スタート。腹の奥底にズンッと響くリズムを次々と繰り出せば、ときに観客たちとリズムと手拍子のやり取りも交わしあう。それにしても一打一打が強烈だ。しかも、なんと手数の多い演奏だろう。複雑なビートなのにノリよい演奏に、身体がずっと揺れていた。フロアでも、志雄の演奏に合わせて手拍子をしてゆく人たちが多くいたのも印象的だった。
攻撃的な志雄のドラムプレイをブリッジに、ライブも後半戦へ。力強く躍動したビートに乗せて、ときにベースを叩きながら、maloがスラップの利いた超高速ベースソロを繰り出せば、TaJIが歪んだ音を鳴らし、ハードロック然としたプレイを見せて観客たちの気持ちを煽りだす。猛り狂う3人の演奏。その上で‥。
maloの唸るベースが炸裂。後半戦のライブの幕開けを飾ったのが、超絶エモーショナルナンバーの『スペクトラム』だ。メンバーらが気持ちを前へ前へと突き出した演奏をぶつければ、大賀廉人が、沸き立つ思いを荒々しくもエモい歌声にして、目の前にいる一人一人の胸に熱い衝撃を持って突き刺していった。気持ちが高ぶる、身体の奥底から次々と沸き立つ衝動が止まらない。フロアでも、その場で大きく跳ねて騒ぐ人たちが多かったのも、納得だ。






