2025.10.28 公開
HYDE、10月25日『HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR -JAPAN FINAL-』オフィシャルライヴレポートが到着!また、HYDEオリジナル・アルバム「JEKYLL」2026年春発売!

HYDE※カメラマンクレジット(石川浩章、松田徹也)  画像 1/9

 

 セットリストの主軸を構成するのはもちろん『HYDE [INSIDE]』の楽曲だが、ソロ活動初期の楽曲「COUNTDOWN」や、VAMPS時代の楽曲たち、MY FIRST STORYとのコラボレーションおよびテレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編主題歌としても大きな話題を呼んだ「夢幻」(MY FIRST STORY × HYDE)「永久-トコシエ-」(HYDE × MY FIRST STORY)のセルフカバーなどバリエーションに富んだ選曲は彼のエネルギッシュな活動遍歴を俯瞰させるものにも感じられ、その多彩さ豊潤さには改めて目をみはらされる。初日は「WELCOME TO THE BLACK PARADE」(My Chemical Romance)、2日目は「FAINT」(Linkin Park)と日替わりで披露された洋楽カバーも客席を大いに盛り上げた。

 

「ヤバい! 日本のライヴがもう終わっちゃう! みんな、すごいカオスっぷりを発揮してるんじゃない? もっと限界突破しようぜ。激しいライヴはしばらくないから、ここですごいのが見たいな。期待していいか、幕張! 遠慮なくいこう」

 HYDEの呼びかけにオーディエンスも全力で応え、「3, 2, 1」の合図で全員が一斉にジャンプした「6or9」では今ツアー最高の勢いと高さをマーク。続く「MAD QUALIA」では「本性を見せてみろ!」と叫ぶや、再びHYDEがフロアに降りて熱狂を煽りに煽り、さらに『HYDE [INSIDE]』のなかでも最凶と呼びたいヘヴィメタルチューン「SOCIAL VIRUS」に突入すると、HYDEのロングトーンのデスヴォイスシャウトとともに客席エリアのあちこちでどデカいウォールオブデスが発生する事態に。

 

 とめどなくヒートアップする場内の空気を、熱量は保ったままグッとシリアスに急転させたのは「LAST SONG」だった。楽曲のタイトル通り、『HYDE [INSIDE]』を締めくくるラストナンバーであり、今作で唯一となるバラード曲の美しくも胸を抉るような旋律がオーディエンスをなす術もなく立ち尽くさせる。上半身は素肌をさらし、頭から血糊をかぶってステージに倒れ込み、咽び泣くようにして歌声を絞り出すHYDE。歌の主人公が憑依したかのごとく、孤独感と狂気をないまぜにした鬼気迫るヴォーカリゼーションと、行き場のない感情を全身からほと走らせる圧倒的な佇まいに、観る者は瞬きすらできない。今ツアー全公演で繰り広げられてきたこの凄絶なるパフォーマンスは、まさにHYDEの[INSIDE](=内面)の発露であり、稀代の表現者たる彼の真骨頂だろう。幕張の大ステージの上で真紅の雫を滴らせ、燃えるようなライトに照らされながら真っ赤な紙吹雪を全身に浴びるHYDEはもはや形容しようのないほどに美しかった。

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