奥田民生と吉川晃司が結成したユニット、Ooochie Koochie。彼らの全国ツアー舞台裏に独占密着、武道館公演直後にインタビューを敢行したドキュメンタリーを、10月25日にWOWOWで放送・配信!
1987年ロックバンドユニコーンでデビューし、1994年にソロ活動を本格始動した奥田民生。シンガーソングライターとして、そして音楽プロデューサーとして、数々の名曲・ヒット曲を世に送り出し、常に音楽シーンの第一線で活躍してきた。1984年に映画主演とその主題歌でセンセーショナルなデビューを果たした吉川晃司。COMPLEXとしての活動も含めて音楽シーンを席巻し、俳優としても活躍。ひとつの枠組みに収まりきらないアクションで、唯一無二の存在感を示してきた。ずっと接点の無かった二人だが、実は同じ1965年に広島県で生まれ同地で育ったという共通点がある。彼らはここ数年音楽フェスで何度か邂逅を果たし、酒を飲み会話を重ねていった。その中で「何か面白いことをやろう」と意気投合し、二人が還暦を迎えるタイミングで実現したのが今回のユニット結成だ。
【写真】全国ツアー舞台裏に独占密着、武道館公演直後にインタビューを敢行したドキュメンタリーを、10月25日にWOWOWで放送・配信するOoochie Koochie(4枚)
一見「水と油」とも思える二人による衝撃の合体が発表されたのは、今年2月26日。センセーショナルなニュースは瞬く間に広まり、二人の話題がSNS上を賑やかせた。その後、彼らは地元・広島でのメディア・アピアランスなども行ないながら、3曲の配信シングルと1枚のフルアルバムを発表。そして、待望の全国ツアーが7月12日の広島グリーンアリーナ公演を皮切りに、9月11日・12日の日本武道館2DAYSまで全7カ所8公演開催された。各地が熱狂の盛り上がりとなったのはすでに報道されている通りだ。さらに、12月31日には地元・広島での追加公演も決定、二人は2025年を通じて旋風を巻き起こすこととなった。
このたび、彼らの全国ツアーの舞台裏に密着した貴重な映像が番組化される。撮影はツアー前の全体ミーティングから始まり、リハーサルスタジオを経てツアーへと続けられた。通常ではカメラを入れることが困難なエリアまで二人を追いかけ、作り込まずありのままの姿を記録することが徹底された。本番まではある程度余白を残し当日のひらめきを大事にする奥田と、細部まで作り込み準備万端にしようとする吉川。両極端の二人は、控室ではボケと突っ込みを繰り返し、硬軟織り交ぜて呼吸を通じ合わせていく。ツアー初日には、ショッキングな事態も起こる。吉川の喉に異変が起こり、リハーサルの途中で歌うことを中断し病院に急行することに。緊迫するバックステージ、対応に追われるスタッフたち。その中でも奥田は慌てず力まず、まさに泰然自若といった様子。そこに、吉川への信頼とプロフェッショナルとしての矜持が伝わる。診断の結果、幸いコロナなどの感染症ではなく、応急措置を施してOoochie Koochieとして初の舞台へ。番組では、初めてステージで披露した広島公演の「おちこち」「GOLD」「OK」の3曲がノーカットで収められている。スリリングなやり取りがあったことを認識した上で改めて渾身のライブパフォーマンスを見ると、また違った感慨が生まれてくるはずだ。
もうひとつの見どころは、武道館2DAYSの翌週に行なったインタビューだ。二人は駆け抜けた濃密な日々をそれぞれの視点で振り返る。「軸は広島」「恩返しが押し売りにならないように(心掛けた)」と熱く語る吉川。彼への尊敬と共感を語りつつも「LA VIE EN ROSE、いただきました!」と笑わせる奥田。番組を通じて言えることだが、こんなにも笑顔にあふれた吉川の姿はなかなか見られるものではない。一方で、あくまでも自分のペースを崩さない奥田の芯の強さには誰もが舌を巻くことだろう。そして何より、お互いを深く尊敬し理解し合おうとする二人の漢(おとこ)の姿は、あまりに厳かで気高い。その姿に「大人しくない、大人じゃけぇ」という言葉がオーバーラップしていく。Ooochie Koochieの由来は「遠いところと近いところ」「昔と今」「現在と将来」を意味する「おちこち」だという。ユニット結成で生まれた大きなケミストリーは、それぞれのソロ活動にも大いなる示唆を与えたことは間違いない。奥田民生と吉川晃司。日本を代表する二人のミュージシャンの「これまで」と「これから」にも思いを馳せながら、このドキュメンタリーをご覧いただきたい。