(オフィシャルレポート|文:フジタアヤコ)
滋賀ふるさと観光大使を務めるアーティスト 西川貴教が、今年で17年目となる「イナズマロック フェス 2025」(※以下「イナズマ」)を滋賀県草津市の烏丸半島芝生広場で9月20日(土)、21日(日)の2日間開催し、有料エリアの「雷神ステージ」、無料エリアの「風神ステージ」「龍神ステージ」を合わせてアーティスト・パフォーマー総勢100組以上が出演、2日間で合計80,000人(有料エリア・無料エリア合計)を動員した。
【写真】ももクロが出演したイナズマロック フェス 2025(7枚)
「雷神ステージ」には、T.M.Revolution、西川貴教をはじめ、1日目は尾崎匠海 & 藤牧京介 (INI)、Novelbright、=LOVE、Fear, and Loathing in Las Vegas、ながのーず(長野博+井ノ原快彦)、ももいろクローバーZ、2日目はIS:SUE、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、FANTASTICS、FRUITS ZIPPER、YUTA(NCT)、IMP.が出演した。またステージ転換の間はパフォーマーによるエンタメタイムになっており、話題の芸人がネタを披露して客席を沸かせた。
さらに、2日目の終演と同時に、来年は9月19日、20日、21日の3日間で開催と発表された。また、事前に西川本人がXで告知した通り「イナズマロック フェス」という名称での開催は今年で最後。来年は新たな名前となり、イベントの内容も大幅に刷新されることが明らかになった。
「イナズマロック フェス」は、西川が発起人となり、琵琶湖の水質保全と地域振興をテーマに掲げて2009年にスタートした国内最大級の大型野外イベント。スタート当初より、出演者はミュージシャンだけでなく、アイドルや芸人、ご当地キャラクターと幅広く、それがこのフェスの特徴でもある。また、広大な無料エリアには、「風神ステージ」「龍神ステージ」という2つのステージがあるほか、今年5月に草津で行われたグルメバトル「イナズマフードGPXL2025 in草津」で選ばれた選りすぐりの飲食店が並び、滋賀県体験型観光ブース「おいで~な滋賀」には地元企業や団体が出展。来場者は、気軽に滋賀の魅力に触れることができる。他にも、今年は雷神ステージのデザインを地元・成安造形大学の学生が担当。会場近郊の駅にも学生デザインによるフォトスポットが設置されるなど、西川の「地元と一緒にイベントを作りたい」という想いがあらゆるところに散りばめられている。
1日目のトリは、ももいろクローバーZ。トリを務めるのも5回目、すっかりイナズマの顔として定着した。メンバーカラーのフリンジがあしらわれた衣装にサングラス姿で登場。バンドにはマーティ・フリードマン、さらにMY FIRST STORYのKid'z、Nob、という豪華なメンバーを揃え、1曲目は「あんた飛ばしすぎ!!」でスタート!そしてドラマティックな展開のナンバー「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」、ラップ調の「The Diamond Four」へと続く。
恒例のメンバー紹介の後、今年7月にリリースした「機動戦士ガンダム アーセナルベース FORSQUAD」主題歌「Event Horizon」、4月リリースのプロ野球・読売ジャイアンツ 田中将大投手 2025年シーズン登場曲「Acceleration」をプレイ。そして「私たち大人っぽい曲もあるんです。夜空に合いそうなこの曲」と「Re:Story」を披露し、ガラッと雰囲気を変えた魅力を見せた。最後に選んだ曲は、「走れ! -ZZ ver.-」。途中でステージの照明を落とし、会場にメンバーの持つペンライトと客席のペンライトだけが輝く演出もあり、それはまるで夜空に浮かぶ星のようだった。本当のラストは、イナズマではお決まりとなった西川が参加する茶番の時間。百田夏菜子が持つ唐草模様の風呂敷の中から、高城れにがパープルのファーつきマントを取り出し、ティアラをつけると、ミュージカル風に歌い出した。「歌を届けたい、みんなに」「この4人で織りなす物語、高城れにの物語はまだまだ続いていく」と続ける。そして、「でも(自分以外の)この3人では力不足なの 呼び覚ませ あの人の声を」「みんなも叫んで!T.M.Revolution!」と客席を巻き込んでのT.M.Revolutionコール!それに応えて登場した西川と一緒に、ももクロ全員で「LEVEL 4」をプレイした。マイクを両手で握りしめてセンターで歌う西川は「こういうのって、ワンコーラスで終わるものじゃないの?」「自分のライブでもそんなにやってないのよ、この曲」と終始困り顔だったが、こんな茶番ができるのもイナズマだけ。西川とももクロの関係であればこそ。メンバーも「このあと兄貴が出てくるってわかってるから、ぐちゃぐちゃなれにちゃんのミュージカルをあたたかく見守ってくれる」と話した。最後は、西川もメンバーのセンターに並んでお決まりの「Z」ポーズを披露、1日目の幕を下ろした。
