2025.09.25 公開
MA55IVE THE RAMPAGEが全曲コラボレーションの2ndアルバム「EMPIRE CODE」をたっぷり解説。AK-69との制作秘話や、ソロ曲の制作過程を紐解く。

MA55IVE THE RAMPAGE(※提供画像)  画像 1/2

――「分かんだろ?」と同じく自己発憤ソングですが、アプローチが違いますよね。「分かんだろ?」の方は自分に自信があって強気な感じ。一方、「Universe」は自分の弱い部分も見せている。そのもどかしさをSKRYUが具体的に描写して補っていく話法になっていて共感度を引き上げているように思います。

TAKAHIDE:そうですね。僕は言いたいことの全部が歌詞にならなくてもいいと思っていたんです。あと、さっき話したように僕とSKRYUさんが違う世界線でいいと思っていた。そしたら別軸で進んでいる二人がフックで合体するという良い方向に作用して楽曲の完成度がアップしたように思います。

――続く「Feel the vibe feat. May J., JAY’ED, KENTA」は、エレガントでスムースなR&Bになりました。

KENTA:まずは歌モノをやろうと考えて。歌詞より先に曲の方を進めようと思って、知り合いのジェイ(Jaeyoung Yang)に頼んで作ってもらったんです。そのときに僕が伝えたのは、どこか平成感が漂っていて、でも令和でも新しいと思える曲を作って欲しいと。テンポはミドルで曲調はR&B。男女3人で歌うので歌詞の1番と2番で歌う男性が変わってハイ終わりではなく、ちゃんと3声が重なるところがあったり、ゴスペルのような要素も入れて欲しいと。リファレンスとしてはNe-Yoの「So Sick」とか、3声が重なるということで絢香さんとコブクロさんの「WINDING ROAD」とかを伝えました。あと、柔らかい雰囲気の曲にしたかったので、AIさんとEXILE ATSUSHIさんの「So Special」みたいな感じも欲しいと。

――作詞はどのように進めていったんですか?

KENTA:3人の合同作業で進めていきました。もともと僕が書きたかったのは、今の世の中で背中を押す歌というか。SNSが当たり前の今って、それこそ平成の頃と違って、自分をよく見せることに囚われ過ぎているように思うんです。たとえば旅行に行ってもSNSに上げる写真を撮ることが目的になっちゃっていたりとか。自分を癒やすことが目的じゃなくて、誰かに見られることに意識が向いている。そうじゃなくて、もっと自分自身や自分が感じたことを大切にして、って伝えたかったんです。もしも、そういうことで悩んでいる人がいたら、自分の心に正直でいて欲しい。そうすることで明るさを取り戻して一歩踏み出してもらいたいなって。ただ、いざ3人で顔を合わせて書き始めたら、大変な作業でした。最初はサビの制作から入ったんですけど、サビの途中くらいまで作るのに6〜7時間かかって。

――なかなか思うように進まなかった。

KENTA:僕の出したテーマが抽象的だったんですよね。たとえば、失恋をテーマにしようだったらストーリーを描けるんですけど、背中を押すといっても漠然としていて、具体的な出来事があるわけじゃない。しかも、そういうテーマを共同で書くというのが難しくて。性別が違うし、年代も違う3人なので、たとえば比喩表現をしたくても出てくる言葉が全然違うんです。あと、3人ともフロウに対する歌詞のハマり具合を重視するから確認作業が多いんです。1%でもよくなる可能性があるなら、それを全部出していって、それから決めるという進め方だったんで。

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