最初のトークテーマは、「お二人の出会いや当時の印象を聞きたい~!!」。木根尚登は、「帯でやっていたラジオ番組「M-voice」にゲストで来てくれたとき」と発言。「音楽に対する姿勢が真っすぐで、ロックな子」という印象を抱いていたそうだ。椎名へきるは、同番組に出演したとき、木根尚登に「すごく優しい人という印象を覚えていた」と語っていた。でも、木根尚登の相棒でもある小室哲哉に言わせれば…。
木根尚登は、椎名へきるの4ヶ月連続シングル作品の楽曲制作及びプロデュースを手掛けたことをきっかけに、今の関係へと至っている。深い関係へ至るまでの経緯の話。4ヶ月連続で作った楽曲にまつわる裏話などは、当時を知るファンには嬉しい聞きどころだ。なぜか華原朋美の名前が出てくれば、じつは同年代だということも、ここで判明。そんな余談話もありながら、木根尚登いわく「必死」に提供曲を作っていた当時の話は、なかなか興味深かった。こちらも余談だが、椎名へきるの「木根さんがファミレスに一緒に行ってくださって」や「牛丼食べるんだ」と感激した言葉に返した木根尚登の発言や、小室哲哉も登場するコミカルな話の数々は、ぜひ耳にしてほしい。
続いてのトークテーマが、「『ひだまり』での活動や当時の想い出話を聞きたい~!!」。ひだまりとは、椎名へきると木根尚登が組んで活動をしていたアコースティックユニット。木根尚登がフォークソング好きということから、当時に流行っていた夫婦デュオに影響を受けて、ひだまりを結成したと語りだす。ここではグループ名を出していたので、気になった方はアーカイブを通して確認してほしい。グループ名のひだまりの命名についての話、ひだまりで歌った『Size Up』についての2人の解釈話などは、なかなか興味深い。木根尚登いわく「あの曲は、椎名へきるの『神田川』だからね」の発言へ、椎名へきるがどんな反応を示したのかも、ぜひ見てほしい。他にも、ライブ時の話など、2人の軽妙なトークに場内からずっと笑い声が起きていた。
ここで、ファンから寄せられた質問にラジオ番組風に答えようと、「椎名へきると木根尚登の TALK IS MY SOUL!!」を実演。「椎名へきる&木根尚登に聞きたい事!!」のお題に寄せられた質問にも答えていたが、なぜか質問のあとに書いてあった言葉に反応をし、盛り上がってしまうところが、この2人らしい。その内容が何なのかは、ぜひアーカイブ放送で確認してほしい。他にも、とある質問に答える形で、木根尚登が「椎名へきるの提供曲の中で一番好きな楽曲」も発表していた。逆に、椎名へきるが好きな木根尚登の提供曲とは…??「子供の頃、これをやってて良かったな」の質問への2人の真面目な回答から、笑いが起きる内容へと変わってゆくやりとりも、ぜひチェックしてもらいたい。
アコースティックライブのコーナーでは、木根尚登提供曲も多く披露。この日も、ファンクラブのリクエスト投票で上位に入った曲たちを中心に歌唱していた。この日も演奏前から、椎名へきる・斉藤JAKE慎吾・川村ケンの3人でトークショーのように盛り上がっていたように、3人の下世話?な話も含めてのライブだと捉えて、楽しんでもらいたい。
ブギウギ/ホンキートンクの演奏に乗せ、最初に届けたのが『裸のプリンセスマーメイド』。椎名へきるも手にしたタンバリンを鳴らしつつ、冒頭から力強い声を響かせてゆく。心をロックなモードに染め上げた彼女の気合の入った歌声に、ぜひ触れてほしい。この曲では、3人がジャムセッションをしてゆくような様で歌い演奏していたのも印象的だった。
「この場に素敵な青空を描きましょうよ」の言葉に続いて披露したのが、2022年リリースの曲『青空Highway』。軽やかに跳ねるピアノの旋律に乗せ、椎名へきる自身も情熱的な心の翼を広げ、2人の演奏に乗せて、この空間中に、晴れた歌声を真っすぐに響かせていた。曲が進むごとに心が晴れ渡り、一緒に青空のハイウェイを羽ばたく気分に染まっていた人たちも多かったのでは?!
ここからは、木根尚登が提供した楽曲のブロックへ。バラードの『嵐のち晴れ』で椎名へきるは、2人のしっとりとした演奏とコーラスに乗せ、想い出を振り返り、その景色や当時の様へ思いを寄せるように優しい声で歌っていた。彼女の歌声が、想い出をよみがえらせ、その物語に思いを馳せる語り部のように響くからだろう、『嵐のち晴れ』の演奏中、一人一人の心に、その人の想い出の景色がいろいろと思い浮かんでいたのではないだろうか…。
跳ねるようなピアノの演奏が心地好く駆けだした。そこへ、アコギの音色とタンバリンの音も追随してゆく。続いて届けたのが、『LOVE TOMORROW』。ミドルテンポながらピアノの旋律が跳ねているからだろう、この曲に触れていると気持ちがずっと弾み続ける。サビでは、3人で力強いハーモニーを作りあげていたのも印象的だった。曲が進むにつれ、3人の感情も熱くなりだしていたのか、自然とテンポも、歌声や演奏の熱も上がっていた。
木根尚登提供曲の最後に届けたのが、ライブでは定番曲の『MOTTOスイーツ』。いつものバンドバージョンではなく、アコースティックなスタイルだったが、冒頭から観客たちと「MOTTO」「スイーツ」と声を交わせば、座っての状態ながら、いつものライブのように気持ちはスタンディングをしていた。この場にじっとしているのがもどかしい。身体が疼くのを抑えられない観客たちが、思いをクラップにして、ステージの上の3人にぶつけてゆく。最後に、椎名へきるが叫んだ「夏したーい!!」の言葉も熱かった !!!