MCを終えての2曲目は、ツアーファイナルならではの日替わり曲に。8月7日にはユーキが平日のライブに足を運んだ8号車に「とんでもなく俺らのことを好きだから来てるわけじゃん! そんな8号車のみんなと最高の日にしたいじゃん! 最高の夏、思い出作ろうか!」と喉が張り裂けそうなほど叫んで、超特急のサマーソング「Summer love」をプレゼント。曲中で9人が一文字ずつつなぐ伝言ゲームでは「は・ち・ご・う・しゃ・だ・い・す・き」と伝え、ラストはカイとマサヒロが手でハートを作ってみせた。8月8日は突然ステージが暗転してから「MEMORIAる」のイントロが流れ、ライトがつくと8号車 おめでとうのボードを掲げた9人が「Congratulations!」と8号車の日を満面の笑みで祝福。さらに「みんな記念写真撮るよ! 準備して!」と客席をバックに写真を撮り、「おめでとう!」と声をあげて、メモリアルな1日を3万人で祝った。ラストの「走れ!!!!超特急」では左右の花道からセンターステージと、史上最大の会場を電車ごっこもしながらタイトルの通り走れ!して、客席の隅から隅まで8号車にご挨拶。「みんなの声、聞かせて!」とタカシが願えば、大サビを8号車が歌い上げ、千秋楽の8月8日には8号車カラーであるピンク色の銀テープが発射されて、大きな達成感と深い幸福感のうちにフィナーレを飾った。
それでも止むことのない超特急!コールに、最終日の8月8日にはダブルアンコールも実現。ステージに登場すると、ユーキは「ホントにいつも支えてくれてありがとうございます!」とメンバー1人ひとりにハグし、メンバー、9号車など、関わるすべての人々に感謝する。そして「みんな……ドームがゴールじゃないから。まだ、いろいろできていないことあるでしょ? そういったことを必ず叶えてから、しっかり夢の先、叶えていきましょう。それでは僕たちが始まったこの曲、最後に聞いてください」と贈ったのは「gr8est journey」。2022年の新体制発足時に、この9人で初めて披露された爽快で胸高鳴るナンバーで、レールの先の先、遥かなる未来まで8号車を連れて行くと、それぞれが涙をこらえながら満員の客席に誓いを立てる。ラスト、ステージいっぱいに9人が広がって大きく手を振り、シューヤが「歌え!」と叫ぶと、場内には8号車のOh Oh Oh Ohという大合唱が。曲が終わると「終わった~!」とユーキは雄叫びをあげ、リョウガは「これからも、この最高のメンバーで、死ぬまで笑顔でいましょう」と笑顔で伝える。最後にタカシは「僕は、8号車のみんなに、たくさん心を救われました! せやから、今度は僕が8号車のみんなの事をすくいます! みんなで行こう! ドームのその先まで!」と断言して、大歓声を浴びながらステージを去って行った。
終演後にはLED上で3つの情報が解禁。まず1つ目は、今回のアリーナツアー『EVE』の映画化決定。『超特急 The Movie RE:VE』のタイトルで11月7日より全国公開の予定で、全4都市を巡ったグループ最大規模のツアーが、スクリーン上に蘇るという。2つ目は9月24日にリリースされる22枚目のシングル『NINE LIVES』。「猫に九生あり」ということわざに9人組の超特急を重ね、クールでグルーヴィーなダンスミュージックに、超特急らしいユーモアや遊び心を散りばめた1曲となっているそうだ。また、この曲にまつわる9つの物語も、それぞれのメンバー主演によりTikTokで配信される。そして3つ目が、次回のアリーナツアー『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2025-2026 REAL?』の開催。エンディングムービーで熊本出身のハルが「みんな、俺んち来ない?」と誘っていた通り、11月29・30日のグランメッセ熊本を皮切りに横浜、大阪、愛知、そして来年2月には、ムービーで「俺んちのほうにも遊び来てよ!」と言っていたユーキの故郷である香川を回って、2月20・21日の国立代々木競技場 第一体育館でファイナルを迎える全6都市12公演だ。
今回のツアー『EVE』で人との出会いや、そこからつながっていく人生、そして命の巡りを表現していった超特急。昨今、すべてのモチーフに意味を持たせた考察心をそそるテーマと、ふり幅の広いレパートリーで純粋に楽しめるライブを両立させている彼らだけに『REAL?』と名付けられたツアーで、どんな現実を繰り広げてくれるのか、はたまた?が付いているということは?あきらめることを知らない彼らの探求は深く、そして広く、人々を魅了していくだろう。
文:清水素子
写真:米山三郎・笹森健一
