2025.08.10 公開
【ライブレポート】超特急・全国4都市8公演にのぼるツアーのファイナル公演をグループ史上最大キャパシティとなるさいたまスーパーアリーナスタジアムモードで開催!

超特急『EVE』(C)米山三郎・笹森健一  画像 1/6

一瞬も休むことなく駆け抜け、息を切らせたユーキは、オープニング映像でタカシが太陽を、シューヤが月を背負っているのは、バックボーカルとしてメインダンサー7人を支える2人を「超特急をずっと後ろで明るく照らしてくれる存在だと位置づけたから」と7日に告白。また両日共に、人生には20億回しか心臓の鼓動がないと言われている中で、今、ここで同じ時を過ごすこと、一緒に鼓動を刻めていることがどれだけ奇跡的なことかと、涙ながらに訴えた。さらに、8日の千秋楽には「僕らもいつ死ぬかわかんないし、超特急もいつまで続くかわからない。でも、俺はずっと東京ドームを目指してきて、その夢を一回もあきらめたことはありません! だから今、この景色が見れてます。ホントにあきらめなかったら、夢は叶うんです。この先も、もっと素晴らしい景色を見せていきます。それは遠くなるってことじゃない。誰一人置いていくことなく、みんなと生涯笑っていたい。そんな想いを込めて、この曲を披露したいと思います」と語り、本編のラストソングとして「Billion Beats」を贈った。20億分の1の鼓動を重ね、情感たっぷりにパフォーマンスする9人に向け、8号車は命の光を、鼓動を、それぞれがペンライトの光に灯して掲げながら、今、共に在る奇跡を確かめていく。そして曲終わりのタクヤが言葉を届けるシーンでは、7日は「初めて来た方も多いと思うけど、これが超特急です! 次、会ったとき今日のトキメキを超えてやるから! また会いに来いよ!」と宣言したが、翌日の千秋楽では「今日は何も言葉が出てこない! それくらい最高でした! また会いましょう!」と頬を涙で濡らしていた。

台形LEDが降下して9人の姿を隠し、エンディング映像では海辺で夕陽を眺めながら「当たり前だと思ってたことって、当たり前じゃないんだなぁって」(タクヤ)、「でもさぁ、だから大事なんじゃない?」(ハル)というメンバーの会話も。当たり前に思える日々も当たり前ではない。だから今を大切にしなければいけないのだというメッセージは、今回のツアーのみならず、これまで波瀾万丈の歴史を刻んできた超特急というグループ自体が奥底に抱えているものだろう。

止まることのない8号車の超特急!コールに応えたアンコールは、今ツアーが初披露となるEP収録曲「踊ライナー」でスタート。「最高に盛り上がっていこうぜ!」と煽ったアロハは2番で長尺のラップを挑発的に放ち、冒頭のカンカンカンカンカンを突き抜けた高音で叩きつけたシューヤも、超高速ラップを畳みかけるなり舌をペロリと出して悲鳴を呼ぶ。そして超特急史上最大キャパシティの会場を埋め尽くす8号車を前に、順に心境を語っていった。

まず、7日に「超特急の最大の会場を、僕ら2桁号車が入ってから、いつか超えたいとずっと思っていたので、熱い気持ちが燃え滾りながら今日のライブをさせてもらいました」と話したシューヤは、加入3周年の記念日となる翌8日は「一度は夢をあきらめた僕ですが、この人だ!と思う人を見つけて、支えようと胸に誓ったら、こんな素晴らしい奇跡が起こりました。俺はこの先もタカシくんとメンバーと、8号車のみんなのために歌い続けるので、この先も俺についてきてください」と頼もしく言い切った。カイは初日に「デカいところがすべてではないけれど、僕たちがデカいところに行くことによって、みんなが喜んでくれるのが幸せなんです。だから、自分の言霊を信じて……みんなをデカいところに連れて行きます」と宣言しながら、翌日は2桁号車に「入ってくれてありがとう」と感謝したあと「少しだけ僕の話をしますね。実際の僕は、みなさんと同じようにいろんなことで悩む、たぶん弱い人間なんです」と驚きの告白を。「それでも超特急のカイとして活動しているときは、みんながいてくれるから僕自身のネガティブな面が見えなくて済む。あんまり弱いところは見せないようにしたい人なんですけど、これからは強がらず自分らしい姿を8号車のみなさんに届けられたらいいなと思っております」と、今回のツアーで嬉しい心境の変化があったことをうかがわせた。また「次はドームにみんなで一緒に行きましょう。それまで死なないでください。絶対に死なないでください。俺も死にません!」と初日に笑わせ、翌日も「昨日今日でたくさんの方が乗車(ライブに参加)してくださいましたけども、このままごっそり連れて次の夢に向かって突っ走っていきたいと思います!」と胸を張ったのはマサヒロ。7日に「みんなのおかげでみんなよりも俺の方が楽しかったです!」と笑顔を見せたタクヤは、翌日、本編の最後で言葉が出てこなかったことに触れて「8号車が明日から頑張ろうと思えるような言葉を出したかったのに、最後に限って何も出てこないというみっともない姿を見せてしまいました……また会ってください」と素直な自分をさらしてくれた。

今回もツアーの総合演出を務めたユーキは「とにかく超特急と出会ってくださってありがとうございます!」と7日に拍手を浴び、千秋楽には、生命の源である自然にメンバーを当てはめながらライブを作っていったと説明。「何より、誰1人欠けずに完走できたことが嬉しく思います」と支えてくれたスタッフにも感謝を述べて「8号車のみなさんがここに来て、声を出してくださっているから成立するライブなので、本当にありがとうございます。もっともっと楽しいことしましょう!」と頭を下げた。もともと超特急が好きで、憧れていたというアロハは「過去に1桁号車が立っているステージに、この9人で立てたことが僕はとても嬉しいです」と7日に述べ、8日には両親が観に来ていることを明かして「これからも初心を忘れず、父の「真っすぐ生きていけ」という言葉を胸に掲げて、これからも走っていきたいと思います」と決意表明。7日に「すごく楽しい1日でしたし、みんなの笑顔だったり楽しい顔が見れてホントに幸せでした」と8号車に告げたハルは、翌日「3年はあっという間でした。超特急の歴史に名を刻めたことが、僕は本当に嬉しい。ぜひ、これから先もついてきてください」と望んだ。2度目のさいたまスーパーアリーナをスタジアムモードで開催できたことを「幸せ」と7日に語ったタカシは、前回のツアーファイナルを病欠してしまったこともあり「ツアー完走できて良かったです!」と喜びを露わに。さらに「この景色を見れていることに僕が感動を覚えてます! なんでかと言うと、超特急っていろんな歴史があって。一時期もう超特急、終わったんちゃう?みたいなことを言われる時期があって。でも、あきらめたくなかったし、こんなにも8号車の素敵な姿を見てたら、この笑顔を見てたら、絶対にあきらめることは俺、できひんなと思ったんですよ。そして僕たち走り続けてきて、支えてくれた8号車のみんな、(スタッフである)9号車の皆さんがいたから、今、さいたまスーパーアリーナのスタジアムモードっていう、すごく大きい場所にいれてます。見たかと思います。あきらめなかったから今、ここに僕たちがいるんですよ!」と率直な胸の内を吐露する。そして長年一緒にやってきた1桁号車、超特急になりたいと望んでくれた2桁号車に感謝して「また、笑い合えて、いろんな感情を共有し合えるような場所を作っていけたらなと思っています。……ここで宣言します。絶対に超特急はドームに立ちいます! それまで待っててください!」と自信満々に明言してみせた。

最後にリーダーのリョウガは、トロッコでアリーナの後方に移動したとき、その場で聞こえる音とイヤモニから流れてくるリズムが今までで一番ズレていたと話し、それだけ大きな会場に立てたことを表現。千秋楽では、やはりフルメンバーで完走し切れたことを喜び、8号車の拡散力、マナーの良さ、愛の強さをリスペクトしてから「最高にEVEってます!」と告げた。6月のツアー初日から「EVEってる?」という造語をしばしば使い、ライブコンセプトを取り仕切っているユーキからは良い顔をされていなかったリョウガだが、EVEに生きるという意味があることを考えると、「EVEってる」とはすなわち「生きている」ということなのかもしれない。

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