2025.06.25 公開
再度、幕が開いたステージ。しかし、そこにHYDEはいない。バンドメンバーが華麗なプレイで場を繋ぎ、次第に屈強なアンサンブルが形を成し始めた次の瞬間、This feels unreal to meと歌い上げるタフなその声が空間をつんざいた。「PANDORA」だ!と一気に色めき立つ場内、HYDEが登場したのはなんと2階席だ。片手にマイク、片手に水鉄砲を握りしめたHYDEは座席の間を練り歩きながら彼の姿を見上げて目で追う1階フロア、歓喜に震える2階のオーディエンスを次々に狙い撃ち。粋なサプライズにZepp Haneda(TOKYO)の空気はたちまち沸騰し、今日一番の興奮が狂騒を上書きしていく。
その後、HYDEはステージに戻り、今回のツアーから新たにメンバーに加わったmiki(Ba.)を客席に改めて紹介。「よろしくお願いしますね。イケメンばっかりなんですよ、うちのメンバー。なんで仮面をしてるのかわからないくらい(笑)」と嘯いて、笑いを誘う一幕も。そこから、当初2025年は制作に注力してライヴは控えめにしようと思っていたこと、けれど蓋を開けてみればフェスを含めて今年もライヴ三昧の1年となっていたことを明かし「なので今年もいっぱい楽しみます。みなさんもついてきてください」と呼びかけて、「じゃあ、まだまだもっとはっちゃけられる?」と挑発的に微笑むや、今度はテレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編のオープニング主題歌であり、MY FIRST STORY × HYDE名義の「夢幻」を披露、終盤戦をとことんアッパーに畳み掛ける。「悔いを残すなよ! さあさあ、これから世界を回ってくるぞ! 今日は一発目、いいもん見せてくれ!」とラストは「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」をドロップ。狂乱の限りを尽くして【HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR】初日の夜は終幕を迎えた。
『HYDE [INSIDE] 』の世界を深く深く掘り下げ、最終日を迎えるその日まで自身の史上最高を更新しながら【HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR】は続いていく。ゴールに辿り着いたときHYDEの目の前にはどんな景色が広がっているのだろうか。旅はまだ始まったばかりだ。
TEXT■本間夕子
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