2025.06.09 公開
Official髭男dism、初のスタジアムライブ『OFFICIAL HIGE DANDISM LIVE at STADIUM 2025』、ファイナル公演のオフィシャルレポートが到着!

Official髭男dism(C)TAKAHIRO TAKINAMI  画像 1/4


「どうもありがとう。めちゃくちゃ楽しいです。これ、ちょっと雨が来てんのかな……みんなしんどくない?」と藤原が語りかける。「心を込めて歌っているとね、ほんとにあっという間。でも、そのぶん絶対に忘れられない思い出になる。10年前、横浜のショッピングモールでアコースティックライブやらせてもらってた時期があって……思えばもっと前から、それこそ初ライブの頃からヒゲダンには『無駄なライブ』なんて一つもなかった。この先も僕ら、何本もライブをやっていくけど、今日という日も同じように忘れたくない。7万人とOfficial髭男dismで、誰にも消せないタトゥーを心に刻んでほしい」


その言葉が導くように「TATTOO」を演奏したあと、再び藤原は語り始めた。


「この4人でバンドを組んでから、初めて作ったオリジナルソングを真っ白なCD-Rに焼いてメンバーに渡しました。そこから少しずつ仲間が増えていき、支えてくれるスタッフや、何より僕たちの音楽を愛してくれている皆さんのおかげで、ヒゲダンはここまで来られました」そう感謝の言葉を述べると、スタジアムは温かい拍手に包まれた。


「以前は『自分たちがいいと思う音楽を作れればそれでいい』と思ってた。もちろん、今もその気持ちはあるけど、『みんなが聴いたらどう感じるかな』『みんなで一緒に歌えたらどうだろう』と段々考えるようになった。そうやって、みんながスタジアムに立てるようなバンドに、ヒゲダンを育ててくれたんです。音楽にできることは少ないかもしれない。悲しみを取り除けるとは限らない。でも、悲しいときにみんなと一緒に悲しめる曲を作ってる今のヒゲダンが大好きです。これから人生で、すごく悲しことがあった時や、『人生の意味ってなんだろう?』と思った時、みんなが生きて暮らしていることが、このバンドを生かす『光』になっていること、『あなた』がヒゲダンを強くしてくれていることを思い出してほしい。そして、これから僕らはもっと強くなる。それがこの日産スタジアムを経て追い続けたい夢です。こんなにも僕たちを誇らしい存在にしてくれたみんな、今まで本当にありがとう」


そう叫び、披露したのは「Chessboard」。藤原が突き抜けるようなハイトーンを放ち、バンドが静かにその余韻を支える。そして、アンセム的なコーラスが7万人のシンガロングを生んだ最新曲「50%」で本編は終了。鳴り止まぬアンコールに応え、再び登場した4人は「I LOVE…」を演奏した。


「ここらで懐かしい曲をやってもいいかな」と藤原が言い、彼らがライブハウス時代からずっと鳴らし続けてきた「異端なスター」のイントロを小笹がかき鳴らす。途中、松浦のドラムを囲むように3人が集まり、笑い合いながら演奏する一幕もあった。まるで打ち上げのような、そんなリラックスした雰囲気のままドラム&パーカッションのリズムセクションが走り出し、間髪入れずに「SOULSOUP」。カーティス・メイフィールドの「Move On Up」を彷彿とさせるホーンセクションに胸を熱くさせていると、藤原がこれ以上ないハイトーンボイスを絞り出す。


「これからも、いい音楽を作って、あなたのそばにいられるように頑張ります。『音楽なんて聴けるかよ』という気分の時だってあるかもしれない。そんな時でも僕らはちゃんと、あなたのそばにいるから忘れないでほしい」そう言って最後に「Stand By You」を演奏し、大きな打ち上げ花火とともに大団円を迎えた。


バンド史上最大規模のツアーを、こうして無事に終えたOfficial髭男dism。インディーズデビューから10年、今や7万人を熱狂させる存在となった彼らが証明したのは、どれだけ大きなステージに立っても音楽は変わらず、ひとりひとりの心に寄り添うということ。7万人の心をひとつにした「あの光景」は、きっとそれぞれの暮らしの中で、これからもふとした瞬間に思い出されるだろう。

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