三者三様のシェリルの曲でにぎわせた中盤戦。シェリルの軍服を彷彿させる帽子を飛ばすと「What 'bout my star?」で天真爛漫なかわいらしい表情を覗かせつつ、ワイパーや手拍子で一体感を生み出していく。続いての「ゴ〜〜ジャス」では帽子やサングラスのアイテムを活かしながら、妖艶でショウアップされた空間を演出。そのアウトロから「ユニバーサル・バニー」へとつながる音源の流れを再現してみせると、モニターにはライブシーンが流れ、観客から思わず歓声と拳が上がる。さらに挑発するかのように「pink monsoon」。ピンク色のスモークがステージを包む中、May'nは髪を指に絡ませながら、声と表情で唯一無二の歌姫・シェリル・ノームそのものとなっていく。演じるでも描き出すでもなく、まるでそこに存在しているかのように、シェリルの魂が、May’nの歌に宿っていたことが印象的だった。
「やっぱりライブって楽しいよね」と切り出しつつ「いつも以上に緊張している」と汗を拭いながら打ち明けるMay'n。「ライブがはじまってから、今ここに来てどうしようと思っています。いつもだったら私はここで待って、まだ汗拭きたいからとか言うんですけど、シェリルだったら……と思うと……(笑)」と、素の自分とシェリルの境界を意識しながら笑う。
「シェリルとしてのステージの表現は毎回すごくこだわっているのですが、シェリルのいちファンとして、シェリルのこういうステージを見たいなきっとこの時、こういう思いだったんじゃないかな描かれていないけど、実はきっとこういうシーンがあったんじゃないのかなとか、ファンとしての想いも今日の-Sheryl On Stage-には込めています。次にお届けする曲も、今日だけの気持ちで歌わせていただければと」
ここからはしっとりとしたアコースティックブロック。「会えないとき」をピアノ伴奏でゆっくりと歌いだすと、ステージモニターに紙飛行機、淡い色調の早乙女アルトの姿が次々と映し出され、彼のさまざまな表情が静かに浮かんでは消える。そこから「天使になっちゃった」、「ふなのり」、そして「リーベ~幻の光」と、May'n自身、時に泣きそうになりながらも、シェリルの複雑な感情、アルトへの想いを掬い上げていく。その姿に、観客もまた静かに息を呑んだ。アコースティックブロックを終えると、May’nは一度バックステージへ。
