2025.04.20 公開

大島と山田の最強のリズム隊に沢頭たかしのギター、藤井尚之のサックスが重なり見事なアンサンブルを生み出す。今回のツアーではキーボード奏者、櫻田泰啓をフィーチャーしたブロックもある。前述の「ラブソング」ブロック」では雨垂れのような美しいピアノを披露したり、ソロ・コーナーも設けられた。圧巻は「Another Orion」。会場の隅々まで届くように歌い上げるフミヤのヴォーカルを、極限にまで盛り上げるかのように時には静かに、時には激しく弾かれる櫻田のピアノとのコンビネーションは、この夜のハイライトのひとつだった。そしてもうひとりの重要なプレイヤーは藤井尚之。テナー・サックス、アルト・サックスにアコースティック・ギターを次々に持ち替え、時にはフミヤに合わせてダブルトーン・ヴォーカル披露と八面六臂の活躍をみせる。特に尚之がアコースティック・ギターをかき鳴らし、フミヤがブルース・ハープを吹くブルージィなコラボレーションは、ゾクゾクするほどのかっこ良さ。この夜は「白い雲のように」「SHOOTING STAR」といったF-BLOODナンバーに加え、チェッカーズ時代のふたりの共作曲「素直にI'm Sorry(1988)」や 「Room(1989)」といった滅多に演らない曲も演奏され、長く応援しているファンを泣かせた。


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