──あまりにもカッコ良くなったというトラックは零さんとJUGEMさんによる共同制作。トラック作りはどのように進めていったのでしょうか?
零「最初にJUGEMくんに世界観を伝えて曲のベースを作ってもらって、そこに乗せるメロディをふたりで考えたという感じです。でも、最初に伝えた世界観も、曲調はさまざまで。ゴリゴリのヒップホップから、神秘的なバラードまで、とにかく零でやりたいことや伝えたいことに合うリファレンスを何十曲も投げて、そこからJUGEMくんがいくつかデモを作ってくれて。その中でも特に良かったのがこの楽曲です。曲が短いのもあえてなんです」
──今の時代の音楽の聴かれ方を意識しましたか?
零「そうです。でも流行っているからというよりは、そうしたほうが伝わりやすいかなと思ったので。あと自分自身も長い曲は『長ったるいな』と思うから。Aメロ、Bメロ、サビがあってDメロで一度下がって……みたいなJ-POP王道の構成はもういいやと思って。それよりも、ずっと平坦でサビがあるみたいな、洋楽っぽい曲にしたいなって」
──とにかく大変だった曲作りを経て「Delete」という楽曲が完成しましたが、今はどのような心境ですか?
零「安心しました。マジで、安心しました……」
──もうひとつの表題曲「Enter」はTVアニメ『Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。』のオープニング主題歌。担当することを聞いたときの心境を教えてください。
零「メチャクチャうれしかったです。アニメは自分の好きなものだし、アニメ主題歌って自分に合っているなと思いました。普通のラッパーって、たぶんそんなにアニメの主題歌ってやらないと思うのですが、僕はアニメがルーツとしてある。僕だからできることなのかなって。アニメの主題歌であってもフェイクを歌うつもりはないし、アニメに関わるとか自分の好きなことに関わらせてもらえるということは大事にしていきたいと思っていて。それを提示する最高のタイミングになったなと思いました」
