2024.11.19 公開
<原因は自分にある。>自身2度目のぴあアリーナMM公演を開催!【オフィシャルレポート】

原因は自分にある。<ARENA LIVE 2024 白昼夢への招待>(C)米山三郎・笹森健一  画像 1/17

そして「次の曲は、皆さんの声がないと成立しない曲になってます。皆さん声出す準備できてますか!?」と桜木が煽った「ケイカクドヲリ」では、なんとメンバーがアリーナ客席の通路に降りて、切れ味鋭いラップ&ボーカルでカメラを挑発。アリーナ後方に勢ぞろいしたかと思いきや、今度は一番前へと移動しながら観測者の間近に迫って、場内を熱狂の渦に叩き込む。おなじみの小泉によるロングトーンシャウトも轟き、武藤が「人生もっと楽しんでいかなきゃダメだろうが!」と号令をかけたエレクトロな「Joy to the World」でも、それぞれにアリーナ各所のお立ち台から妖艶な笑みと情熱的なボーカルを放って観測者を悩殺してみせた。そして、小泉が「終盤戦まだまだ楽しんでいきましょう!」と拳を振り上げて「マルチバース・アドベンチャー」になだれ込むと、なんと通路からハンディキャノンで客席に向けてボールを発射。再びアリーナを周回し、お立ち台から手を振って観測者を沸かせ、桜木は「みんな愛してるぜ!」と満面の笑顔でカメラに指を突き出す。長野は「もしも、みんながこれからも一緒に進んでくれるなら、僕たちは君の手を離しません。これからもよろしく!」と明言し、最後はセンターステージに全員集合して吉澤が「みんなに会えて、本当によかった!」とシャウト。観測者への尽きせぬ感謝を贈った。さらに壮大で清々しい「THE EMPATHY」ではペンライトを振り、Oh Oh Oh Ohと声をあげる観測者と共鳴(=EMPATHY)を為して、「みんなの声、届けてください!」と吉澤が求めれば、会場いっぱいの声がステージに。観測者への想いを綴った楽曲で双方向のコミュニケーションを果たすという理想的なステージングに、杢代も「ありがとうね、観測者! 最後まで盛り上がっていこうぜ!」と拳を振り上げ、ライブはげんじぶ独自の世界観を濃縮した最終ブロックへと進んでいく。

LEDが全面赤に染まり、哲学的な歌詞を載せたピアノロックという彼らの最も代表的な個性を表す「柘榴」では、ダークな映像も交えつつ笑顔を封印。「無限シニシズム」でも社会と自嘲を吐き出すようなボーカルと、シリアスな心象風景を表すようなダンスで、タイトルが表す混沌を表現していく。曲を締めくくった大倉と吉澤のエモーショナルなラップは、続く「Museum:0」でも炸裂。繊細なピアノの音色も仕込んだヘヴィロック曲で時にゾッとするほどエキセントリックな冷笑も浮かべながら、歪んだボーカルと激情にまみれたパフォーマンスで客席に迫り、何処にもないなら 描いてしまえばいいと叩きつけて圧倒する。そしてステージ上のトーチに火がともり、ファイヤーボールが噴き上がると、このライブのために和風アレンジされたエレクトロダンス曲「0to1
の幻想」でフィナーレへ。一聴では同じ曲とわからないほどサイバーに変貌を遂げたトラックに乗り、7人はオリジナル以上にアグレッシブに弾け、ダンスパートでは多彩色の炎も噴出。背後のLEDでは零と壱の文字が回り鳳凰が舞って、壮大な電脳空間を創り上げる。パフォーマンスを終えると和楽器の音が鳴るトラックでスライドダウンし、ファイヤーボールの向こうに一瞬で消える彼らは夢幻のごとく。まさに『白昼夢』だったのではないか?と思う間もなく映像が流れ、2025年の彼らにまつわる3つの特報が知らされた。

1つ目はユニバーサルミュージックとパートナーシップ締結で、こちらは2025年春に始動とのこと。メジャーレーベルとの協力体制で、さらに原因は自分にある。の存在が世間に広がっていくことが期待できる。2つ目は3月よりスタートする全国ツアー『嘲笑倫理学のすゝめ』。2025年3月15・16日の愛知県芸術劇場 大ホールを皮切りに仙台、東京、大阪と4都市11公演を廻るホールツアーとなる。3つ目が来年7月12・13日に国立代々木競技場 第一体育館で開催される『ARENA LIVE 2025 序破急』。アリーナ2デイズというグループ史上最大規模となるライブの発表に、場内は大歓声に沸いた。
序破急とは雅楽のひとつである舞楽から生まれた用語で、世阿弥の『風姿花伝』でも語られている概念。物語の流れが序・破・急と急激に変化していく様式のことを指し、会場に足を運ぶすべての人々を一気に引き込むような公演にしたいという願いが込められているという。

常識に囚われず、時間も次元も空間も超えて、常に多様な要素をかけ合わせてきた原因は自分にある。この瞬間、感じる熱や想いに対して忠実に進み、ファンである観測者と共に歩むことを貫いてきた彼らの夢は、着実にスケールアップし、確実に現へと近づきつつある。


文:清水素子
カメラマン:米山三郎・笹森健一

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