気づけば辺りはすっかり暗くなり照明が煌々と光り輝く中、ライブはNEO EXILEの面々によるコラボレーションパートへ。まずはLIL LEAGUEによる最新のファンキーチューン「Youth Spark」から始まり、KID PHENOMENONの「存在証明」が爽やかな疾走感を届け、WOLF HOWL HARMONYが「Frozen Butterfly」をグルーヴィーに聴かせた後、最後はTHE JET BOY BANGERZが「Jettin'」を不敵かつパワフルに披露。ダンスブレイクではAKIRAが加わり歓声を攫っていく場面も。最後にはコール&レスポンスでスタジアム全体を盛り上げ、新世代のグループとしての存在感を見事に見せつけていた。
それから今度は一気に時代を遡り、今この場所へと繋がる原点とも言える初期EXILEの名曲メドレーへ。まずは言わずと知れた代表曲「Choo Choo TRAIN」。また新たな未来を作るEXPGのダンサー達とともに幅広い世代のメンバーが集って一つになるという、EXILE TRIBEの歴史を象徴するような景色が広がっていた。次いで「Together」では片寄、吉野、八木がそろって登場した後、ソロとしても活躍する岩田がボーカルとして加わり名曲を歌い上げる。こんな光景を一体誰が想像できたことだろう、と思わず感慨をおぼえるような一幕であった。そしてTAKAHIROとBALLISTIK BOYZの日髙竜太と加納嘉将が歌う「Carry On」に続いて、今度はJ Soul Brothersの継承という、もう一つの重要な歴史が辿られる。かつての二代目JSBと三代目JSBが一同に会して歌われたのは、2000年リリースの「Fly Away」。去り際には「二代目、三代目J SOUL BROTHERSでした!」とSHOKICHIが叫んだ。当時を知るファンからすれば、この時間は感涙必至であっただろう。さらに次の「Someday」ではまたも心憎い演出として、リリース当時の企画だったこどもVer.MVにキッズダンサーとして出演していた岩谷、浦川、藤原、深堀、砂田らが登場し、EXILEメンバーおよびFANTASTICSパフォーマーとともにステージへ上がる。まだ幼い当時の彼らの映像に合わせて今の彼らが活き活きとパフォーマンスを披露する姿がモニターに映されると、会場全体が温かな歓声に包まれた。この懐かし映像コラボはその後も続き、まずはGENERATIONSの小森隼がナインティナイン岡村隆史とコラボレーションした『オカザイル』の映像とともに登場し会場を盛り上げ、TAKAHIROとJr.EXILEメンバー達で「WON'T BE LONG」を披露。それぞれEXILEに憧れるキッズ時代の姿が映し出されるという心温まる演出の中には、改めて彼らの歴史の厚みが垣間見えた。続くキラーチューン「Ki・mi・ni・mu・chu」ではメンバー達が客席に降りてコミュニケーションを取るファンサービスもあり、どこもかしこも笑顔に溢れるパフォーマンスとなった。
『LDH LIVE-EXPO 2024ーEXILE TRIBE BEST HITS-』(※提供画像) 画像 12/15

そこから暗転の後、モニターに夕暮れの街並みが映し出されると、俳優活動でも知られる佐藤大樹、木村慧人、藤原樹、岩田らが現れ、憂いを帯びた表情の演技で観客を魅了。花火が打ち上がる音ともに八木、宇原雄飛の歌い出しから始まったのは三代目JSBの名曲「花火」。ここからはヒットバラードのメドレーとなる。GENERATIONSによる「空」ではSHOKICHIのピアノと小林直己のダンス、またDEEP SQUADメンバーを含むWOLF HOWL HARMONYによる美麗なコーラスも加わり、壮大な世界観が表現された。続くTHE RAMPAGE「MY PRAYER」では、3ボーカルの歌唱に続いて過去『iCON Z』オーディションでこの曲を歌唱したLIL LEAGUE岩城星那と中村竜大のコンビが登場、ファンを大いに沸かせる。そこから一度静まったステージには切ないピアノの音色が鳴り響き、歌い始めたTAKAHIROとØMI、川村の3人が立ち並ぶ姿が照らされた瞬間、会場からはどよめきの声が上がった。歌われたのはEXILEの名曲「運命のヒト」。兄弟のような深い関係性で知られる3人による象徴的なコラボレーションに、ファン達は固唾をのんで見守った後、感嘆たる歓声と拍手を送った。
そしてライブはいよいよ後半に差し掛かり、いったん切り替えと言わんばかりにTRIBEの各メンバーがノリノリでフザけるコント映像が流され、一気に和やかな空気に。しかしそこからはLDHの大きな特色の一つ、今回は総勢65人がぶつかり合う白熱のパフォーマーバトルへと移行する。特別ゲストとして登場したSWAYがDOBERMAN INFINITY仕込みの煽りで客席を沸かせた後、EXILE TRIBEのパフォーマー達が次々とバチバチの空気感の中で登場。EXILE TRIBEの楽曲達が流れる中、全員主役級の精鋭達がパフォーマンススキルと表現力を遺憾なく発揮。まさに息つく暇もない、豪華絢爛のダンスショーが繰り広げられた。
そこからイベントはとうとうクライマックスへ。ステージから火花が上がり、イントロが鳴った時点から大歓声で迎えられたのは、久々の披露となった『HiGH&LOW』シリーズのテーマ曲「HIGHER GROUND」。そこから三代目JSB「O.R.I.O.N.」、THE RAMPAGE「16BOOSTERZ」、BALLISTIK BOYZ「PASION」、PSYCHIC FEVER「BAKU BAKU」やFANTASTICS「OVER DRIVE」と、TRIBEを隆盛へと導いた熱いダンスミュージックが続けざまに畳み掛けられ、客席の盛り上がりは最高潮に。GENERATIONSの名曲「Evergreen 2.0ver」では、ダンスパートでかつてのサポートメンバー達も加わって円陣を作るという感動的な一幕もあった。締めには三代目JSBの「Rat-tat-tat」とEXILE THE SECOND「Going Crazy」という、誰もが踊らずにいられないパーティーチューンが連続。オーディエンスの熱狂をひと時も絶やさないまま、ここまで一気に駆け抜けた。
ラスト一曲を控えたMCでは、TAKAHIROが「この大変な時代にこのスタジアムという規模で、これだけ多くの皆さんにお会いできたことに心から感謝を伝えたいと思います。どうやったら皆さんに喜んでいただけるのか、メンバーと切磋琢磨しながらここまでやって来ました。今日、皆さんの笑顔と声援でようやくこのライブが完成した気がします。本当にありがとう!」と、万感の思いを語った。
