◆LOVE PSYCHEDELICO(Premium Acoustic Set) セットリスト:
M1: Shadow behind
M2: Place Of Love
M3: 裸の王様
M4: Last Smile
M5: Might Fall In Love
M6: Your Song
M7: LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜
Photo by 田中聖太郎 ビクターロック祭り2017大阪 画像 6/6
「家入レオ」
アーティストコールから、オールスタンディング。待ってました!のムードのなか「楽しんでいくよ!」とシャウトし、まずは懐かしいナンバー『Shine』でスタートする。彼女の魅力の一つ、パワフルかつ透明感ある歌声が大会場の隅々まで行き渡り、観客は手を振って早くも最高潮に! そんな沸き立った空気をさらに熱くするように『サブリナ』では、鋭いビートに衝動を乗せ、ステージを右へ左へと移動して歌い上げ、「Oi! Oi!」のコールで煽る。そしてまっすぐ前を指差し歌う強いまなざしがモニターに大きく映し出される。しかし、MCとなれば、穏やかな雰囲気の彼女。ダジャレ的な“レオ語”を次々に投下して、会場を和やかに。そんなMCとは打って変わって、ここから始まったのは珠玉のバラードタイム。まずは「センチメンタルな気分に浸ってみてください」というコメントから『君がくれた夏』へ。その言葉どおりに優しいアコギの音色と歌声が、この曲の持つ物語をじわりじわりと心に浸透させていく。そしてその静寂の中から次の『Silly』はより深い世界へ潜るよう。荘厳さも感じるサウンドと溶け合う熱を帯びたボーカルが耳に焼き付く。そして青く照らされた舞台はまるで深海のようだ。
そんな会場の空気を変えたのはまたもや、ゆるゆるのMC。ノリ突っ込みも披露して再びほんわかした空気に。そしてそんな空気感のまま始まったのは「ここからはピアノを弾いて…。(藤原)さくらに貸してもらったCDをヒントに作りました」という『だってネコだから』。ここまでとはまったく異なるドリーミーな側面には、思わずドキリ! 歌声もガーリーでその表情もまた柔らかだ。ジャンプしてピアノの陰からハンドマイクで飛び出すひと幕は、まるでネコのそれのよう。ライブでネコまでも表現できる彼女の表現力にはアッパレ!だ。そして、フィナーレに向かって華やかで起伏ある2曲をプレイ。「これから一緒に歌を歌いませんか? 同じ気持ちでここに思いを届けて!」という言葉から始まったのは『僕たちの未来』。壮大なコーラスワークのイントロが野外ライブのような開放感を作り出し、さらに濁りのない歌声と突き抜けるようなメロディで圧倒的な爽快感をプラス。観客は手をステージに伸ばしつつ「OhOhOhOh、OhOh」のシンガロングも! 会場全体で一つの音楽を作り上げているような感覚になる。そして最後は7/26リリースの最新シングル『ずっと、ふたりで』。愛に向き合う真摯な言葉で綴るドラマティックでせつないメロディは、聴く者の心をつかんで離さない。男女問わず誰もが舞台を凝視したまま頷くように聴き入り、最後の最後まで美しい曲と歌声に思い残すことなく酔いしれた。
しかし、今日のお楽しみは実はこれから! 「楽しんでくれた? 今日は私の大好きな2人もライブをしてるじゃないですか? 大阪のみんな、聴きたい~?」と声をかければ、当然会場には大歓声が! それに呼ばれて藤原さくらと大原櫻子が再登場する。…が、なぜかピック飛ばし合戦が始まり、キャッキャした女子会的トークも。彼女たちの素を見られたようで得した気分だ。そしてその後、3人が聴かせてくれたのは、もちろん今年3月の「ビクターロック祭り 番外編 IchigoIchie Join 6 家入レオ×大原櫻子×藤原さくら」でサプライズ披露され、今日の3人の再集結に合わせて9/27に配信シングルとしてリリースされた『恋のはじまり』。ウキウキする恋模様を描いたこのポップチューンは、三者三様のカラーを持つボーカルが見事に一つになってかわいらしさ200%! 「好きで好きで」のフレーズには会場のあちらこちらから“キュン”という音が聞こえてきそうだ。完全に3人にノックアウトされ、「ビクターロック祭り2017大阪」は完全燃焼で大ラスを迎えた。来年もぜひ、ここで今日の日以上の豪華共演を見たい!
(Text by 服田昌子)