「オーライ、帰ってきたぜ!東京!!T-BOLAN LIVE TOUR SINGLES 〜波紋〜ファイナルにようこそ!ようこそ!ようこそ!」といつも以上にテンションの高い森友。
「去年の8月、三郷からスタートしたツアー38本目。今夜のこの会場、俺たちにとっても90年代思い出の地です。日本青年館、そして(デビュー日の)7月10日だぜ。この特別な日に、特別な場所にみんな今日は集まってくれてどうもありがとう。最後までよろしく!」
「Bye For Now」「じれったい愛」「わがままに抱き合えたなら」等々、圧倒的な大ヒット、そして誰もが歌えるシングル曲がたたみかける中、キーボードの小島が弾く優しいピアノの音色が聴こえてきた。T-BOLANが初のシングルチャート1位を獲得した「おさえきれないこの気持ち」だ。ライブでしか聴くことができないアレンジでのパフォーマンス、続く「マリア」もアコースティックバージョンで始まり、途中からバンドバージョンで演奏という否が応でも盛り上がる特別なパフォーマンスだ!
余談だが、1994年9月に12枚目のシングルとしてリリースされた「マリア」は、オリジナルアレンジのアコースティックアルバム「夏の終わりにⅡ」で発表。その後リメイクされロック調のアレンジがシングルバージョンで施された。この2曲は「90年代を様々な角度で楽しんでもらいたい」というメンバーの思いが伝わる構成だ。
T-BOLAN(photo by 平野タカシ )  画像 3/4
「2枚目のアルバム・「BABY BLUE」、初のホールツアーのファイナルがここ日本青年館でした」と1992年7月2日に初めて日本青年館のステージに立ったことを森友は口にした。上野は当時の日本青年館を「ステージが小さく感じた」を話し、「それは奢りですね(笑)」と五味にツッコまれていた。
MCではT-BOLANのファン層が「何歳なのか」と年齢を聞いていく。「50代?だんだん体がキツくなってきただろ?俺たちも同じ」と森友は笑いながら問いかけ、10代以下のファンが結構多い事に森友や会場は驚き「結構いるんだ!学校楽しいか?楽しいこといっぱいやれ!もうすぐ夏休みだ」とメッセージを送る。
「今回、このシングルスツアーのテーマはタイムリープ。曲のイントロや歌詞を耳にすると、その当時の自分の思い出とシンクロするところがあったりする。俺たちは30年前、なんでもできると思っていた。でも年齢を積み重ね、どこかでこれはできるとかこれはリスク高いなとだんだん頭が良くなってきた。『やりたいか、やりたくないか』っていうことよりも、『できるか、できないか』を選択してきた」と森友は自分の過去の状況を語りながら、社会に揉まれて大切なことを忘れてしまった同世代の大人たちに問いかけた。それを聞いて「できるか?できないか?で自分の人生を選択してるのではないか」と自問自答したのは著者だけではないはずだ。





