T-BOLANが、シングル全曲を披露する最初で最後のシングル・ベストツアー「T-BOLAN LIVE TOUR 2023-2024 SINGLES 〜波紋〜」のツアーファイナルを、デビュー記念日の7月10日に東京・日本青年館で開催。昨年8月19日埼玉・三郷市文化会館からスタートし、
約1年に渡った全38公演、全国で感動を共感したT-BOLAN。彼らのファイナル公演をレポートする。
【写真】日本青年館で 最初で最後のシングル・ベストツアーを開催したT-BOLAN(4枚)
会場に入ると剥き出しのステージが観客を迎える。まず驚いたのは、開演前T-BOLANメンバーによるトークがラジオのように会場内に流れ、ライブの様々な楽しみ方を案内してくれる。「会場を訪れてくれたみんなにとって、強力に魅力的で今できる限りのアイディアを詰め込んだ“カタチ”を届けたい」とボーカルの森友はそのラジオの中で語った。その言葉通り、開演前のロビーではメンバーの等身大のフォトパネルスポットが配置されたり、ファンクラブのブースで参加型SNS企画を実施したり、ツアーグッズ販売ではさながら野球場のビール売りのように大人気のペンライトを客席を回遊して販売したり等々。ライブ開演前からたくさんの“楽しい”を届け、ファンならずともこの日の全てを思い出として刻める場となっていた。
定刻の時間を過ぎると暗転、時計の秒針が時を刻む。「離したくはない」「Bye For Now」「マリア」「じれったい愛」…、全てのシングル曲の断片が流れてくる。その音に耳を傾けていると、いつの間にか観客の心は90年代にタイムリープ。十人十色の“あの頃”へ自然と誘われる。
T-BOLAN(photo by 平野タカシ ) 画像 2/4
暗闇だったステージが白いライトで一気に照らされ、T-BOLANの森友嵐士(Vo)、五味孝氏(G)、上野博文(B)、そしてサポートメンバーの人時:黒夢(B)、坪倉唯子:B.B.クィーンズ(Cho)、小島良喜(Key)、永井利光(Dr)が姿を現す。すると会場は一気にヒートアップ、大きな歓声と拍手が上がる。オープニングは33年前の1991年7月10日にリリースされたデビュー曲「悲しみが痛いよ」からスタート。
2015年3月にくも膜下出血で倒れて、必死のリハビリでステージに戻ってきた上野。前回のツアーまではライブの途中から登場していたが、今回はオープニングから森友の隣でT-BOLANサウンドの土台でベースサウンドを支える。その上野の姿を見て笑みを浮かべるメンバー。