2024.05.31 公開
L’Arc~en~Cielが約2年振りに開催、2月にスタートさせた全国ツアー『ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND』を完走した。これまでライヴで披露する機会が少なかった楽曲たちに光を当てるコンセプトのもと、レア曲尽くしのセットリストで臨む冒険的かつ実験的なツアーだった。ファンクラブ限定の横浜アリーナ2Daysを残し、事実上のファイナルとして開催された4月6日、7日、さいたまスーパーアリーナでの一般公演の模様をレポートする。
【写真】約2年振りとなる全国ツアーを完走したL’Arc~en~Ciel(19枚)
メリーゴーラウンドを思わせる円形のセンターステージと、そこから伸びる4本の花道。LEDスクリーンを備えた天蓋と台座の間を紗幕が覆っている。開演前から雨音を含むアンビエントなSEが流れていて、次第に雨足が強くなると場内は暗転。入れ替わりに、無線制御のオフィシャルグッズL'ライトが観客の手元で色とりどりに点灯する。いよいよ開演である。
L’Arc~en~Ciel(C)Hideaki Imamoto 画像 2/19
雨夜に浮かび上がる月と、ピアノの暗鬱な調べ。聳え立つ古城に向かって羽ばたくカラスが咥えていた、種のような、光る楕円の物体をくちばしから落下。すると画面が切り替わり、地下室への階段を降りていく黒衣の4人をカメラが追う。フードを外しメンバーが一人一人大写しになると、yukihiro(Dr)が広げた掌からは砂が零れ、ken(Gt)の掌には風、tetsuya(Ba)は水、hyde(Vo)は火が出現。集まった4人は同時に手をかざし、それらを地面に向かって放つ。カラスがくわえていた種と、メンバーが持っていたエレメントとが合体して、何かが生まれるのだろうか? そんな予感と共に、扉が開き光に向かって歩いていく4人の後ろ姿が映し出され、場内では大歓声と拍手が沸き起こった。ツアーロゴが出現し、ピアノの第一音が鳴り響く。赤く照らされた紗幕越しに始まった1曲目は、1994年リリースのアルバム『Tierra』収録の「All Dead」。メンバーのシルエットが亡霊のように浮かび上がり、姿はまだ見えず焦らされる。スノードームにステージごと閉じ込められたかのように白い破片が宙を舞い散り、紗幕を活かした演出の美しさに目を瞠った。
L’Arc~en~Ciel(C)Hideaki Imamoto 画像 3/19
切り込むような鋭さで2曲目の「EXISTENCE」を放つと、紗幕が振り落とされ4人の姿が露わに。hydeは早速「Sing out!」とファンを煽り、一体感を求めていく。続けざまに「THE NEPENTHES」を投下、緑の光で場内は染め上げられた。ステージからはスモークとファイアボールが噴き上がり壮観な眺めである。hydeは大きく脚を広げた低い姿勢で猛々しく咆哮、かと思えば澄み渡ったロングトーンを聴かせ、変幻自在な歌声で陶酔させた。
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