COMPLEX 「日本一心」(撮影: 太田好治) 画像 3/6
「COMPLEX 日本一心へようこそ。
大自然の前ではオレたちなんてちっぽけ
な人間だが、こうして集って力を束ねれば、
奇跡だって起こせると信じています。ともに
能登へエールを。ぶちかまそう!」と吉川。
客席からも多くのこぶしが上がった。
「PRETTY DOLL」では躍動感あふれる
歌と演奏によって客席が激しく揺れた。
「CRASH COMPLEXION」では変幻自在の
歌と演奏を展開。バンドの集中力あふれる
演奏も見事だった。メンバーは湊雅史(D)、
スティーヴエトウ(Per)、井上富雄(B)、
奥野真哉(Key)、岸利至(Programming)
の5人。吉川と布袋の信頼するミュージシャン達
が結集した。「路地裏のVENUS」では吉川が
フライングV、布袋がゼマティスを手にし、
ギターによる共演が実現した。吉川と布袋が
背中合わせでギターを弾いたり、向き合って
ギターの掛け合いを繰り広げたりすると、
観客も一緒に熱狂していた。二人にしか生む
ことのできない火花は実にスリリングだ。
吉川と布袋のコーラスもこれぞCOMPLEXと
言いたくなる独特の味わいがある。
「ハロー、東京ドーム!今日は能登半島を始め
とする被災地への復興支援に賛同してくれた約
5万人の同志達が、全国から集まってくれました。
日本一心。今日は心も体も一つになって、一心
同体となって、被災地にエールを送りましょう」
との布袋からのMCもあった。「LOVE CHARADE」
では爽快感あふれる歌声とブライトな響きのある
ギターによって、会場内に明るいエネルギーが
満ちていった。途中で布袋が両手を頭の上に上
げてハートマークを作ると、観客も一緒にハート
マークを作っている。吉川もハートマークを作り
ながら、笑みを浮かべている。観客がともに歌い、
ハートマークを作っている。夏の恋がモチーフと
なった歌だが、会場内が大きな愛を共有している
と感じた。この光景には一心という表現が
ふさわしいだろう。
さらに「2人のAnother Twilight」「MODERN VISION」
「DRAGON CRIME」など、バラエティーに富んだ
ナンバーが披露された。セットリストは前回、前々回
の東京ドーム公演とほぼ共通している。オリジナル
アルバムが2枚ということもあり、これがCOMPLEXに
とっての最適解、最強のセットリストなのだろう。
ただし、曲目は共通していても、過去の公演の再現
ライブではない。過去を更新するステージだと感じた
のは、今の彼らが最新の思いを込めて、演奏している
からだ。タフさと懐の深さが魅力的な「MODERN VISION」、
深い陰影を備えた「BLUE」、布袋がWネックギターを
披露した「CRY FOR LOVE」など、
彼らの表現力の豊かさを堪能した。
COMPLEX 「日本一心」(撮影: 横井明彦) 画像 5/6