2024.04.04 公開
ここで、石原が「新しいワクワクを来てくれているみんなにも味わってほしい」と、このツアーでは初めてサポートギターを入れてライブを行なっていることを伝える。そうしてそのギタリスト・作田泰地を迎え入れ、「ちょっと季節外れだけど」と披露されたのは「サマーデイドリーム」だった。季節外れどころか、この日の関東地方は夏を先取りしたかのような暑さだったのでむしろぴったりだ。それにしてもこの曲のスケールの大きさには驚いた。鉄板のトライアングルにギターが1本加わるだけで、こんなにも豊かに変わるのか。といっても、アレンジやグルーヴが大幅に変化しているわけではない。全体的に厚みと密度が増したようなサウンドだ。この後もところどころで作田のギターがバンドを支えていくのだが、どの曲もアリーナにふさわしいパワーを発揮していた。
「サマーデイドリーム」に続いては、「誰がなんと言おうと、俺らにとって、あなたと出会わせてくれた大切な歌」という石原の言葉とともに「シンデレラボーイ」へ。イントロのギターが鳴り始めた瞬間に静かな拍手がアリーナ一面に広がった。そこから「いつか」、そして「魔法が解けたら」へと、楽曲がひとつの恋の終わりを描いたひと続きの物語のようにして奏でられていく。もちろんそれぞれの曲は作られた時期も背景も主人公の性別も違うのだが、それが映像演出も含めてこうしてつながっていくところに、石原慎也というソングライターの幹みたいな部分が透けて見えるようだ。物語の最後を飾る「魔法が解けたら」では再び作田のギターが3人のサウンドに厚みを足して力強く「次」へと向かっていく主人公の姿を浮かび上がらせてみせた。
2ページ(全4ページ中)

関連タグ
【あなたにオススメ記事】