2023.11.10 公開
リキッドライトというアナログパフォーマンスだからこその生命力や色彩と、VJのデジタルが描く神秘の世界が入り混じる映像もリンクして、東京都渋谷区の夕刻という感覚が飛ぶ。
そしてタイトルからして挑発的なガレージロック「ダミーロックとブルース」、松尾のポエトリーリーディングから入るタイトル未定曲、柔らかでドリーミーなフォーク「AM06:30」と、一言で『幻想的』と言ってもさまざまなアプローチをみせる。
そこから120BPMのディスコ「In the air」、さらにテンポと温度を上げた「吹き抜く風のように」と、サイケデリックに根差しながらフロアにダンスの魔法をかけた。
大きな歓声と拍手とともにMCへ。松尾が「「Velvet Theater」なんでね、特別ですよ今日」と話していたように、GLIM SPANKYが8曲も立て続けに演奏することは珍しい。
「ガーデンホールってね、こっからみるとわりとZeppっすね」と、ここでようやく亀本のアットホームな言葉が飛び出し観客からも大きな笑い声が。
松尾はサブスクリプションサービス/プレイリスト時代に入り聴かれにくくなったアルバム曲について、「そうならないように1曲1曲を同じレベルの愛情で作っている」と話し、続けて「今回はそれをタイトルにしました。1曲1曲を、今まで以上に開けた感じの曲も作っているし、楽しく作っています」と、11月15日の発売に向けて絶賛制作中のニューアルバム『The Goldmine』への想いを語った。
〈Velvet Theater 2023〉(撮影:上飯坂一) 画像 8/9
ステージは後半へ。GLIM SPANKYのオリジナル作品には未収録だが、「ずっと演奏したかった。アシッドフォークやバロックポップから影響を受けた趣味爆発の曲。『Velvet Theater』にはぴったりだと思う」と松尾が話し、『アーヤと魔女 SONGBOOK ライムアベニュー13番地』から「The House in Lime Avenue」を演奏。
のどかな田園にサイケデリックの風が吹くようなナンバーで会場を優しく包み込む。
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