

コール&レスポンスで盛り上げた『皐月』や『ミニスカートとハイライト』ではハンドマイクでステージを自由に移動しながら歌い、『二人だけの国』では照明演出で幻想的な雰囲気を作り上げたりと、様々な表情を見せながらライブが進むと、中盤のMCではこの3年間を振り返る。「音楽とか芸術はお客さんがいて成り立つものなので、みんなにいろんなことを我慢してもらいながら、私が続けさせてもらってた」と話し、一度だけ行われた無観客ライブを振り返りつつ、「みんながいてくれるっていうのは、酸素がここにあるっていう風に思うので、みんなのいろんな表情が見れて、私にとってはこれがライブなんやって、ほんまに思えております」と感謝を伝えた。
さらに「私はシンガーソングライターなので、この3年間、世の中が危うくなってしまったときも、ひたすら曲を作りました。ただ、これをリリースしても、みんなに聴いてもらえる場所はどこなんやろう?と思ってたんです。でも、この曲をどうしてもリリースしたいですって言って、シングルでリリースして、この曲で出会ってくれた方もたくさんいると思うし、私にとってはマイナスなことだけじゃなくて、プラスなこともすごく多くて、またシンガーソングライターとして成長ができた3年間だったと思ってます。次に歌うその曲は、自分の音楽人生の中で特別であり続けると思います」と話すと、『裸の心』を情感たっぷりに歌い上げ、中盤のハイライトとなった。
ここからはあいみょんとバンドメンバーの間に紗幕が下りてきて、映像演出とともに楽曲を披露。流れる雲が映し出された『風のささやき』や、ミニマムなアレンジの『ポプリの葉』は弾き語りに近い雰囲気で、シンガーソングライターとしてのあいみょんの真骨頂が伝わってくる。ネオソウルな曲調がスタイリッシュな『強くなっちゃたんだ、ブルー』の最後で紗幕が上がると、ドラムとパーカッションによるイントロで始まった『ペルソナの記憶』では後方のスクリーンにマーブル模様が映し出され、一転してサイケな雰囲気に。曲の後半ではギターソロの応酬もあって、場内は大きな盛り上がりを見せる。
オーディエンスからのリクエストに応える形でクレヨンしんちゃんのモノマネ(歌バージョン!)を披露するレアなシーンもありつつ、骨太なギターリフと手拍子で盛り上げた『彼氏有無』からのライブ後半はアップテンポな楽曲を続け、ハンドマイクで飛び跳ねながら歌った『マシマロ』と『夢追いベンガル』で場内の温度は一気に急上昇。『夢追いベンガル』では〈この脚振り上げて〉という歌詞に合わせて脚を高々と振り上げるあいみょんの姿も印象的だった。
