2023年10月8日、こけら落としされたばかりのKアリーナ横浜には黒い服に身を包んだ人で溢れかえっていた。老若男女問わぬ顔ぶれは、瞳をキラキラと輝かせ胸の高鳴りを抑えられぬよう。無理もないはずだ。なんといってもこの日は、LUNA SEAが絶対的なカリスマへとかけあがっていった時代にリリースされたアルバム『STYLE』を現在に再現するツアー、『LUNA SEA DUAL AREANA TOUR 2023 UN ENDING STYLE』を観ることができるのだから。1996年に開催された『CONCERT TOUR UN ENDING STYLE』を現場で目撃できなかった人たちにとっては願ってもない機会である。観客席の熱も始まる前から最高潮で、開始前のアナウンスが流れると待ちきれないといわんばかりに温かい拍手が巻き起こった。
【写真】凄まじいパワーでKアリーナ横浜を圧倒したLUNA SEA(8枚)
ライブは1996年時と同様、アルバムのトップを飾る「WITH LOVE」で幕開けとなった。重厚感のあるギター、噛みしめるようなベース、力強く踏みこまれるドラム、渋みの利いたボーカル。アップナンバーのような派手さはないが「レジェンドが現れた」と物語るような堂々たる登場だ。オーディエンスもひとつひとつの音を噛みしめ、吸い込まれるようにステージを見つめる。
『LUNA SEA DUAL AREANA TOUR 2023 UN ENDING STYLE』photo by:田辺佳子 上溝恭香 清水義史 画像 2/8
SUGIZOがギターを歯切れよく掻き鳴らし「G.」に導かれると、一気にクールなロックンロールの雰囲気へ。バシバシとストロボは瞬き、ステージには花火も噴出。煌びやかな演出もさることながら、5人の演奏が放つパワーは凄まじく、眩暈がしそうになるほどだ。突き上げられた拳はメロディーに合わせて波を描き、この時を待ちわびていたことを鮮明に謳っていた。
『LUNA SEA DUAL AREANA TOUR 2023 UN ENDING STYLE』
photo by:田辺佳子 上溝恭香 清水義史 画像 3/8
RYUICHIの歌声が深く響く「END OF SORROW」、2本のギターが絶妙に絡みあう「LUV U」、ばっちりのタイム感でグルーヴが回転する「SLAVE」と、『STYLE』収録曲を中心としたセットリストを展開。オープニングを駆け抜けていく頃には、オーディエンスの熱気で会場の温度が上がったようだった。