ライブ中盤は、ミドルバラードの「恋」から。空から天使の羽根が降ってくるような幻想的な映像がオーディエンスを魅了する。さらに、ファルセットボイスで歌われる美しいメロディとクラシカルなコード進行が印象的な「氷の翼」、およそ20年ぶりに披露された「CHILDREN IN THE WAR」などメッセージ性の強い楽曲を次々に披露。〈戦場へ続くあの空 君と今見上げてる〉〈友はどこへ行った? 街が全て灰になった… 〉と歌う「CHILDREN IN THE WAR」は2003年の楽曲だが、コロナ禍や戦争が起きた今の時代だからこそ響くものがあった。
TERUとTAKUROがサビをハモる、オールディーズ風味の「pure soul」でノスタルジックな気分に浸るのも束の間。「いつも支えてくれて本当にありがとう!」というTERUのシャウトとともに始まったのは、シングル『HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-』の、もう一つの表題曲「限界突破」だ。タイトル通り、限界を突破したようなド派手なバンドアンサンブルにオーディエンスもハンズアップで応えている。さらに「JUSTICE [FROM] GUILTY」「黒く塗れ!」とロックンロールナンバーを間髪入れずに畳み掛け、フロアのボルテージはグングンと上昇する一方。「これからも一緒に夢を見ていこうぜ!」とTERUが呼びかけ、「BEAUTIFUL DREAMER」が始まった瞬間に、キャノン砲から銀テープが勢いよく噴射された。
撮影:田辺佳子 画像 6/10
撮影:田辺佳子 画像 7/10
本編ラストは「Satellite of love」。曲のエンディングでTERUが、〈繋いだその指を離さないで… どうかお願い…〉とロングビブラートを聞かせると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こった。
鳴り止まぬアンコールに応え、4人が再びステージに登場する。サポートメンバーとして長年GLAYのアンサンブルを支えてきたToshi(Dr)と村山☆潤(Key)を紹介したあと、メンバーたちも思い思いの挨拶をする。最後にTERUが、「これからも10年、20年と楽しくやっていきます。皆さんはもう、俺たちの家族のようなものなので、これからもよろしくお願いします」と頭を下げると、温かい拍手が会場を包み込んだ。
撮影:田辺佳子 画像 8/10
撮影:田辺佳子 画像 9/10
アンコールは新曲「Buddy」を披露したあと、「SOUL LOVE」のサビをオーディエンスとともにシンガロング。こうやってみんなで声を一緒に出せるようになったことを、メンバー全員が心から楽しんでいるようだ。「今日はマニアックな選曲ということで、『BEAT out!』から「原色の空<Cloudy Sky>」をやります」と言った瞬間、フロアからどよめきの声が上がる。およそ10年ぶりのお披露目となった、この初期曲を経てツアーのタイトル曲「HIGHCOMMUNICATIONS」を演奏し、この日のライブを締めくくった。