2023.07.13 公開
RADWIMPS、8年ぶりの国内ライブハウスツアーが大盛況のうちに終幕

Photo by Takeshi Yao  画像 1/10

「オーダーメイド」もまた印象深かった。人間の形になる前の主人公が町を、ビル街を走っていく映像が映し出され、緊張感と集中力に富んだバンドアンサンブルと洋次郎のヴォーカルを、オーディエンスは息を呑むようにして聴き入っていた。

この日、最初のMCでは武田は「このライブハウスツアーでは想像の何倍、何十倍もの素晴らしい空間をみんなと作れています。密な空間でみんなの顔が見ることができて、声が聞ける。そんな空間を共有できて幸せです」と語り、桑原は「みなさん、おひさしぶりです。ずっと幸せな気持ちで演奏させてもらってます」と相好を崩した。洋次郎は海外ツアーと国内ライブハウスツアーを並行して展開している今の感慨をこのように言葉にした。

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「日本語が通じるというのは最高です(笑)。海外ツアーに出て、肌の色も髪の色も目の色も違う人たちが、ここにいるみんなと同じように全力で、日本語で歌ってくれる姿を見て、俺はすげぇ誇らしい気持ちになる。でも、やっぱり日本に帰ってきたら『ああ、やっぱりここが俺らの国なんだな』って再確認できます。こんな熱量でみんなが迎えてくれるのは、ただひとつこの国だけなんだなって思わせてくれる。ありがとうございます」
あっという間にライブは終盤へ。ポップパンクなサウンドを転がす「05410-(ん)」、やはりオーディエンスの大きなシンガロングが響き渡った「有心論」、まさにそのタイトル通りの盛り上がりを見せた「会心の一撃」で本編が終了した。

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アンコールの1曲目には、最新曲「大団円 feat.ZORN」がセットされていた。シークレットゲストとして、ZORNその人がステージに登場。RADWIMPSのロックバンドとしてのダイナミズムが轟くように表出したサウンドと、威風堂々とした猛々しさが宿るZORNのラップが濃密に共振し、会場を揺らした。この曲について、洋次郎はこう語った。

「今回、Jリーグの30周年を記念してこの曲を作って、ZORNにも参加してもらいました。俺はずっと勝負みたいな世界とは違うところで生きたいと思って音楽を始めて。スポーツは好きだったけど、小さいころからがむしゃらに向かってくる相手チームの人がいると、『こんなに勝ちたい人がいるなら、俺は負けていいや』ってひるんじゃっていたんだけど。でも、この曲を作ってるときに吉田麻也選手にインタビューをさせてもらって思ったことでもあるんだけど、基本的に優しさを持って生きていきたい。でも、いざというときは、自分のために、自分の大事な人のために勝たなきゃいけない瞬間もあるんだなって。そういう思いでこの曲を造りました」

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その後、「いいんですか?」、「君と羊と青」と続いたアンコール。さらに「どうせなら、もう1曲やるか! 歌えるかわかんねぇから、おまえらも歌えよ。38年も生きてきたと思うと、ゾッとするんだけど(笑)、でも、自分が想像していたどんなパターンの38歳よりも今が一番幸せです! ああ、一瞬ヤバくなりそう(泣きそう)だったから、振り切っていくか!」と、洋次郎が咆哮し、ツインドラムが予定になかった「DADA」のロールを鳴らし始める。そこからはもう、バンドとオーディエンスは全身全霊を尽くすようにして音楽を分かち合い、忘れがたいライブは幕を下ろした。

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